18年世界ジュニア選手権3位の山下真瑚(17=中京大中京高)が優勝した。前日のショートプログラム(SP)を65・64点で首位発進すると、この日のフリーは112・59点で2位だったものの、総合178・23点でトップを守った。

冒頭、勇気を持って4回転サルコーに挑戦した。予定プログラムではダブルアクセル(2回転半ジャンプ)になっていたが、本番で変更。結果は1回転下と判定され、基礎点が9・70点ではなく4・30点になった上に出来栄え点(GOE)も減点2・15点と厳しい結果になったが「4回転を入れていかないと上には行けないので」と後悔はなかった。

一方で「失敗してしまうと、その分の点数がなくなってしまう。試合で跳ぶなら降りないとな、って思います」。取り組み始めたのは2年前からと長いが、負傷あり、新型コロナ禍ありで、ようやく本腰を入れられたのは活動自粛明けだった。「まだ練習でもクリーンに降りたことがないんですけど」と明かしつつ、10月29日~11月1日の西日本選手権(京都)や12月23~27日の全日本選手権(長野)へ「次も入れようと考えています」と、諦めずに投入する意欲を示した。

演技の最後には、思わず笑ってしまった。最後の3回転サルコーまで転倒してしまい「やっちゃったぁ、って思って。練習でもこけることがないので、何でこけたのか今でも分からない」。4回転を試した影響かもしれないが、逃げるつもりはない。西日本と全日本で、また挑む。【木下淳】