男子SPで山本草太(20=中京大)が4回転2本に果敢に挑み、転倒はあったが77・07点の2位で終えた。

花をあしらったベスト調の衣装で、「黒い瞳」の曲に動きを乗せていく。冒頭は4回転トーループからの3回転トーループの連続ジャンプ。2つとも踏み切りから着氷まで1本の軸をきれいに見せる跳躍だった。

「今季の中では一番緊張して臨めた。いいところもあれば、スピードを抑えたところもあった。抑えつつ演技してしまった」と反省したように、続く4回転サルコーでは慎重になりすぎたのか、ジャンプが乱れて転倒。トリプルアクセルも着氷でバランスを崩した。「この緊張を感じれたので、もっとスピードを出して思いきって演技をしていきたい」。今季3戦目で、ミスの中にも収穫を探した。

「勝ちたいという気持ちだけです」。フリーへ向けて聞かれると、毅然(きぜん)と答えた。今大会は年末の全日本選手権の予選会の意味合いも強いが、あえて「勝ちたい」と語気を強めた。理由は「ジャパンオープンで…」。10月3日のジャパンオープン。チーム戦では優勝したが、フリー演技で競った個人では0・02点差で2位だった。それがあらためて勝利の飢えを呼び起こしたという。「やっぱり優勝した時が自分が楽しめる瞬間なので」。その時のために、フリーへ向かう。