全国高校バスケットボール選手権県予選2次ラウンド(R)は今日31日に開幕する。女子で新潟産大付は2年連続で県代表での出場を狙う。大黒柱は9月30日にかかとの手術をしたナイジェリア人留学生190センチのセンター、メリー・レイチェル・エマニュエル(3年)。故障の回復ぶりがチームの浮沈のカギを握る。また女子では開志国際が前大会に続き、北信越枠での出場をすでに決めている。

表情は底抜けに明るかった。「練習、あまりしてないけれど、心の中にスタミナはある」。メリー・レイチェル・エマニュエルは体力面の不安を、笑顔で吹き飛ばした。練習には本格的な合流をしてないが闘志は全身に充満している。佐藤裕幸監督(45)のプランは31日の2次R初戦・十日町戦と、翌日の2回戦の出場を回避させ、6日の準々決勝からの投入。「本人は全部出ると言っているが、大事な場面で使いたい」と話した。

9月30日にかかとの骨の一部を除去する手術を受けた。手術後は筋トレでパワーを維持。エアロバイクで体力保持にも努めた。「再発が怖いから、40分間フル出場はさせられない」と佐藤監督は話すが、本人の心構えは出来ている。「プレーする時はいつも、負けない気持ちでやっている」と言う。高さが武器で初出場した昨年の全国大会は2試合連続ダブル・ダブル。酪農学園大付とわの森三愛(北海道)との1回戦(76○68)は26得点、27リバウンド。2回戦の津幡戦(石川=60●73)でも16得点、14リバウンドで大暴れした。

18年4月の入学以来、主力として活躍してきた。1度も帰国せず、バスケットに取り組んできた。「寂しいけど、バスケットがある。チーム、学校もやさしい」。卒業後も日本にとどまるつもり。目標はWリーグのコートだ。

【涌井幹雄】

◆メリー・レイチェル・エマニュエル 2002年8月17日生まれ。ナイジェリア国籍。来日前はボクシングも経験。好きな日本語はあいさつの「おはようございます」「お願いします」。190センチ、72キロ。