19年ジュニアグランプリ(GP)ファイナル王者の佐藤駿(16=埼玉栄2年)が78・16点をマークした。

ジュニアルールでSPは4回転ジャンプが跳べないため、冒頭は3回転ルッツを跳んだ。今季はシニア転向1年目で「ずっと4回転ばかり跳んできたので、逆に緊張しました」と苦笑いしたものの成功。続く3回転フリップ-3回転トーループ、最後のトリプルアクセル(3回転半)も決めて「ノーミスで良かった」と振り返った。

昨年は左股関節を痛めるなど満足いく演技ができなかった。11月のNHK杯(大阪)の前から12月の全日本選手権(長野)まで「痛み止めを飲まないと滑れなかったくらい」と明かし、今月4日の名古屋スケートフェスティバルも欠場。全日本の後は年明け7日まで練習を再開できなかったという。

しかし「かなり休めて徐々に良くなってきた。このインターハイも出るか迷っていたんですが、出られる状態になりました」と回復し、出場を決め「このくらいの点かなと思っていた」納得の演技。大会2連覇がかかる23日のフリーでは大技の4回転ルッツを投入する。「気を引き締めて、楽しんで、絶対にルッツを降りたい」と今季の悔しさを晴らす。

27日から始まる冬季愛知国体(名古屋)が今季最後の試合。現時点では、やや患部に不安も残るが「国体までには完全な状態にしたい」と語った。その前に、まずはフリーで「しっかり(体を)締めて4回転ルッツを決めたい」と現在最高難度のジャンプへのこだわりを口にした。【木下淳】