全日本ジュニア女王の松生(まついけ)理乃(16=中京大中京1年)がインターハイ初優勝を遂げた。ショートプログラム(SP)2位で迎えたフリーで1位の120・30点。合計181・33点とし、2位に23・83点差をつける逆転で参加111人の頂点に立った。

高得点でもジャンプは苦しんだ。3種のスピンは最高評価のレベル4でそろえた一方、最後の3回転サルコー-3回転トーループの2連続は転倒。初出場Vでも「気が緩んで悔しい。次はノーミスで」と重ねた反省が格の違いを物語った。

遅めの9歳から競技を始め、ダブルアクセル(2回転半)を跳ぶまで2年かかった。だが、高校の大先輩で憧れの浅田真央さんからもらったサインと「頑張ってね」の言葉を励みに諦めなかった。「何度も何度も。負けず嫌いで」。ようやくの2回転半の成功後、一気に花開く。昨年のグランプリシリーズNHK杯3位、全日本選手権4位と今やシニア勢とも渡り合う。

「(浅田さんが)オリンピックに出て感動する演技をされたのはすごい。私も…」と夢はあるものの、明言はしない。「それまでに、すごい努力をされたはずなので。今の私は目の前の試合、1つ1つの練習をこなしていけたら」。氷に足をつけ、滑りを磨いていく。【木下淳】