女子日本代表で18年平昌オリンピック(五輪)女子銅メダルのロコ・ソラーレが、来年の北京五輪出場を決めた。日本女子としては98年長野五輪から7大会連続の出場となった。

元日本代表の市川美余さんが18日、最終予選の戦いぶり、選手個々の成長ポイント、そして来年の北京五輪を見すえ、細かく分析した。

【ロコ・ソラーレ、北京五輪決めた 韓国戦詳細】はこちら>>

北京五輪出場、おめでとうございます。

今大会は氷のコンディションが難しく、どのチームも苦戦しました。その中でも、相手を少しずつ上回れたことが日本女子の“勝因”でした。敗れたスコットランドとトルコ戦は、どちらも、相手がとにかく上手でした。いいショットをしながらも、相手がそれを上回っただけでした。難しい中でも、十分やることはできていました。

期間中、石の曲がり方は「三転」しました。最初が曲がらない、途中で石を削った後は曲がり、再び曲がらなくなり、そしてこの日はまた曲がっていました。

その中での調整力が光りました。4人で変化を共有できるコミュニケーション力が強みですが、それを可能にするには、まずは1人1人の察知する能力、努力で培ってきた力が必要です。

「何か違う気はするけど、投げがいけなかったのかな?」を思ってしまえば、違和感を伝えられません。しっかり自信をもって、「いま、これは違う」と言えれば、情報を集約する藤沢選手に伝わり、4人で見解を統一できる。

「私は重く感じるよ」「もうちょっと幅を狭くした方がいいと思うよ」。そんな会話1つ1つの積み重ねが、氷の状況が変わっても、勝利を呼び込みます。

自信を生むスキルは4年前の平昌五輪から格段に上がってます。

個々でいえば…。

吉田夕選手 もともと安定したショット率を出せる選手です。「ゆりかタイム」と呼ばれるくらい、ウィック(ガードをずらす技)の精度も高い。スイープでの冷静な判断力もあります。スイープしていると近すぎてミスにつながりやすいですが、しっかりと引いてみる力がある。ジャッジミスにならない。

鈴木選手 ダブルテーク、ガードを払っていくスキルがとても高くなりました。ミスはしないだろうと思って安心して見ていられる。スイープの面では感じる力が強いので、例えば「いま滑ってない気がする」というような感性が鋭い。

吉田知選手 本当にオールマイティーに、何でもできますが、ここぞという時に決めてくれる力がさらについてきました。頭の回転がすごく速い。視野が広いので、作戦の面でもアイスを読む力の面でも、ちょっと違う角度で見ることができるのが、作戦の引き出しの幅を広げていると感じます。

藤沢選手 もともと天才肌なんですけど、メンタルが強くなりました。代表決定戦でも見せてくれたように、粘り強く、勝ちきっていく強さが4年間でついてきた。そこの成長が一番大きいかなと感じますね。

北京五輪の勢力図は、スウェーデン、カナダは決勝トーナメントに上がってくるでしょうが、他の国はほぼ横並びだと思います。

ロコ・ソラーレには、周りは銅メダルの前回以上に期待すると思いますが、あまりそれが選手の耳に入ってプレッシャーになってほしくない。伸び伸びプレーしてくれれば、過去に世界2位までいったことがありますし、決勝トーナメント進出の可能は高いと思います。

4人は30歳前後。経験も積んできていて、でも、まだ体力面でもいけるよという年齢なので、いい年齢ではあります。一昔前ほど経験豊富なベテランの方が有利ということはなく、才能あふれる若手の勢いも感じます。その中で「中堅」として、非常にいい時期を迎えています。

平昌ではカーリングの面白さを一層広めてくれたチームです。さらにファンが増えていくように、観戦したい人、実際にやりたいと思う人が増える、そんな影響を与えるプレーをしてほしいですね。

勝ちにもこだわるけど、作戦の引き出しが多いチームなので、いろんな戦術で見る人をとりこにしてほしいなと思います。

(元日本代表サード)

◆市川美余(いちかわ・みよ)1989年(平元)6月28日、長野県北佐久郡軽井沢町生まれ。98年長野五輪を見て8歳で競技を始める。中部電力で11年から日本選手権4連覇。日本代表で出場した13年世界選手権で7位。パワフルなテークアウトが得意なサードで、14年春に現役引退した。