夏にペアを結成した柚木心結(ゆのき・みゆ、15=京都宇治FSC)、市橋翔哉(24=関大)組が全日本デビューを果たした。
22年北京五輪に内定している三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)の欠場により、出場は1組。市橋が中心となり、手を握った柚木を回す「デススパイラル」で市橋が転倒するミスがあったが、34・77点を記録した。
ペア競技に憧れ、北海道から京都にやってきた柚木。ほとんど経験がない中でたどり着いた日本最高峰の舞台に、朝から落ち着かなかった。演技前はホテルに衣装を忘れて「頭がおかしくなった」と苦笑い。それでも国際大会で活躍してきた高橋成美コーチ(29)に「翔哉くんがいるから大丈夫」と背中を押され、相方も「任せといて」と言ってくれた。3年ぶり出場となった市橋に支えられ、有観客のリンクに立った。
そこは楽しい舞台だった。リフトを終えてステップに入ると、観客が手拍子で後押ししてくれた。柚木は「最初はお客さんがいっぱいいて、びっくりしました。それでも手拍子に乗って楽しめました」。市橋は「『任せて』と言って途中までは良かったけれど、最後の最後にやらかした」と最終盤の転倒を悔やみつつ「360度(観客に)囲まれて滑るのが懐かしかったです。6分間練習でお客さんを見て『本当に戻ってきたんだな』と思いました」とうれしそうに振り返った。
市橋は19年に三浦とペア解消後、シングル選手として競技会にも出場しながら、新たなパートナーを探していた。わずか1組の出場だが、得るものは大きい。26日のフリーへ誓った。
「楽しむことだけを考えたいです。心結ちゃんは初めて出るので『全日本、楽しい』と思ってもらえるような演技をしたいです」
この日の手拍子が、愛称「みゆしょー」の2人にとって新たな1歩となる。【松本航】


