パフォーマンスにつなげる月経対策とは-。

日本ハンドボールリーグ(JHL)女子で暫定2位のオムロンピンディーズ(熊本・山鹿市)が30日、強豪の東京女子体育大(東京・国立市)で「女性アスリートのセルフコンディショニングセミナー」を開いた。

ハンドボール部、新体操部、ソフトボール部など体育学部の学生が参加。同大学OGのオムロン石井優花主将(29)と、オムロンヘルスケア株式会社の栃木悠里子氏が月経周期を把握する重要性などを説明した。

セミナーでは栃木氏が女性ホルモン、月経痛などの知識を伝え「月経(生理)によってコンディションが悪くなった時、どう対処していますか?」というテーマで話し合いが行われた。各部の主将はこう答えた。

◆新体操部

ロキソニンを飲む。無理をしない声かけをしていて、後は各自の判断で休む。

◆ハンドボール部

コンディションが悪くなった時には寝る。体を温め、食欲が増した時には我慢をせずに食べる。

◆ソフトボール部

無理をせずに安静にする。安静にできない練習時などは、市販薬で対応する。

学生の意見に耳を傾けながら、石井主将は「基礎体温(朝目覚めた後、体を動かす前の安静時の体温)を計っています」とオムロンでの取り組みを紹介した。チームでは各選手が毎朝、基礎体温を計測し、スマートフォンで打ち込んでトレーナー陣と共有。基礎体温を測ることで月経の周期を判断しやすくなり、不調が現れやすい時期を知れるという。セルフコンディショニングの意識が高まる実感があり「インカレなど大きな大会でベストパフォーマンスを出せるようにしてほしい。知識を持って、1つでも役立ててほしいです」と後輩たちに語りかけた。

石井主将も学生時代は関心を持つ機会が少なかった分野だという。24年9月には新リーグが開幕予定で、オムロンも参入が内定している。同主将は「これからのプロ化に向けて、意識の変化が出てきている。今日のような機会も増えてくると思う。選手も積極的に関わっていきたいです」と思いを口にした。【松本航】