「努力のシューター」が輝いた。女子の聖和学園(宮城1位)が、星城(愛知2位)に73-69で競り勝った。上野加弥(3年)が3点シュート(3P)11本で33得点をマークし、5年ぶりの3回戦進出を果たし、柴田学園(青森)が2回戦で敗退した。男子では帝京安積(福島)が初戦突破、仙台大明成(宮城)は前回大会準優勝の福岡第一に65-76で敗れ、7年ぶりに初戦敗退。背番号「8」のウィリアムス・ショーン莉音(まりおん、3年)がチーム最多21得点と奮起したが、1回戦屈指の好カードで悔しい敗戦を喫した。
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上野のシュートがリングに吸い込まれると、ベンチと応援席が沸いた。前半で3P5本を決めても、シュートタッチは狂わない。勝敗を左右する2点リードの第4Q残り2分では、連続3Pで相手を振り切り、同Qだけで5本を沈め、18年以来の3回戦進出に大きく貢献した。試合後に拳を握った小野裕監督(47)は「(星城は)愛知県の能力のあるチーム。上手な選手たちで、我々は上野の3Pが当たってくれたことがラッキーだった」とたたえた。
前日23日の市前橋(群馬)戦は無得点。上野は「高校最後の大会なので、昨日のことや次のことを何も考えず、自分を信じてやろう」。気持ちを切り替え、前向きに臨んだこの日は、相手の170センチ台の得点源を警戒。引いてインサイドを固めてくる中、外から打って波に乗った。
指揮官が「1番、チームで一生懸命練習する子」と認めるシューターだ。1年時から朝練習と部活動後の練習で約2時間、ひたむきにシュートの精度を磨く姿を見てきたからこそ、「こういう形で実って私もうれしかった」と目を細めた。
全国高校総体8強の同校が、今大会東北勢女子の最後の「とりで」となった。3回戦はU-18日本代表の大上粋奈(3年)を擁する広島皆実が相手。上野は「明日も流れを持ってくる選手になれるように頑張りたい」。活躍しても緩みはない。自分を信じ、シュートを描く。【相沢孔志】
○…柴田学園 東海大福岡に54-87で敗れ、2回戦敗退。1回戦で斎藤和(のどか)主将(3年)が負傷。万全な状態ではなかったが、下は向かなかった。14-22で迎えた第2Q残り8分41秒、工藤未羽(3年)が2Pを沈めると、残り1分50秒ではチームトップ17得点の波多野陽南(1年)の3Pを含む10連続得点で逆転。だがその後、11連続失点するなど、相手の攻撃力に苦戦し、33点差で涙をのんだ。
○…仙台大明成 今夏の全国高校総体準々決勝、U18日清食品トップリーグで敗れた強敵に雪辱を果たせなかった。1点リードの第2Qは1-25と圧倒され、第3Q終了時で25点を追う苦しい状況。それでも第4Qは気持ちで負けず、34-20と意地を見せたが、前半の大量失点が重かった。今年6月、佐藤久夫前監督が73歳で死去。同校OBの畠山俊樹監督(32)の下、優勝を目指した大会を終えた。ウィリアムスは「久夫先生の教えを3、4Qでもう1回みんなで体現できた」と胸を張った。
○…帝京安積 瓊浦(長崎)を下し初戦突破。第2Q開始15秒から6連続得点で逆転。その後も3本の3Pを決め、12点リードで前半を折り返した。後半はエースで主将のPG菅野陸(3年)が躍動。第3Q5分3秒に3Pを沈めるなど15得点。最後まで勢いは止まらずチームトップの27得点をマーク。欠場し、悔しさを味わった県予選決勝の雪辱を果たす活躍でチームを勝利へと導いた。
◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系で、女子決勝は28日正午からBS朝日でともに生放送


