アランマーレ秋田の石川県出身、佐藤千裕(26)、野田遥(23)が地元の思いを背負って戦った。1日午後4時10分、最大震度7を記録した「令和6年能登半島地震」が発生。翌2日からWリーグ第9週、東京・代々木大会が行われ、アランマーレ秋田は4、5日、デンソーに連敗。皇后杯を制した女王に大敗を喫したが、佐藤千、野田は地元を勇気づけようと奮起した。試合後、2人が故郷石川への思いを語った。
発生当時は秋田で練習中だった。能登から遠く離れた秋田市でも震度3を計測するほどの大地震。佐藤千は石川・野々市市出身。「びっくりしたんですけど、ニュースを見たらまさかの石川県だった。自分の驚きよりも心配が勝った」。建物の倒壊や朝市通りの大規模火災など大きな被害を受けた輪島市には友人もおり、「輪島の友だちは避難所で生活している子もいる。金沢にいる子たちも余震で気持ちが疲れていると言っていた」。余震が続く被災地の状況やいつ断水になるかわからないといった不安な心境の連絡を受けていた。
ただ、そんな中でも友人たちは佐藤千を応援。「バスケットでパワーがほしいと言われた」。デンソーとの2戦は秋田の思いはもちろんだが、石川への思いが強かった。「私の地元、石川県の皆さんにパワーが届けられるようなプレーができるようにと思って挑んでいました」。
5日の第2戦は、第1クオーター(Q)を終えて6-32。前半終了時点で15-56と女王の実力を見せつけられた。だが佐藤千は「前半にシュートを簡単に入れられてしまった。『もう絶対にやり返すぞ』という気持ちで挑みました」。あきらめずに奮起し、第3Qだけで3点シュート2本を含む8得点。48-106の大敗だったが、あきらめない姿勢を見せることはできた。「うまくいかないこともあったけど、強気で挑んでいる姿は、石川県の皆さんにパワーが送れたんじゃないか」。次戦は2月24、25日新潟戦。佐藤千は「(次戦までに)自分でできることに何があるか、考えて動いていきたい」。石川のために戦う姿を見せ続け、勝利を届ける。【濱本神威】
○…誕生日に予期せぬニュースが飛び込んできた。元日に23歳の誕生日を迎えた野田は「最初、ニュースを見たとき、戸惑って…。1回親に連絡したんですけど、誰にもつながらなくて。1人でお正月ずっと焦っていました」。その後、家族、親戚、友人がみんな無事であることを確認したが、能登に住む親戚の被害は大きかったという。
この試合は「とにかくバスケを頑張ろう」という思いで臨んだ。第1戦では1分17秒しかプレータイムをもらえず無得点に終わったが、第2戦は6分2秒コートに立ち、2得点1スチールをマーク。だが野田は「自分の思っているプレーができなくて悔しい試合でした」。練習中のドライブや3点シュートが力みのせいか、うまくいかなかったことを悔やんだ。だが「みんな震災で、家が大変な中でも、『試合頑張ってね』、『応援してるよ』とメッセージをたくさんくれる。友だちやファンの方々に、頑張ってるなと思ってもらえるようにプレーしていきたいです」。見てくれている地元の人たちのためにも、チャレンジを欠かさない。


