バレーボール男子日本代表の佐藤駿一郎(26)が28日、麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕された。代表合宿中に起こった衝撃の事態を受け、日本バレーボール協会(JVA)は同日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行う予定だった男子代表のキックオフ会見を中止し、急きょ「説明会」を実施。国分裕之専務らが経緯を説明し、謝罪した。
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トップアスリートには、競技力だけでなく社会的責任が求められる。にもかかわらず、薬物への認識の甘さは深刻だった。大麻の入った荷物を現場に、しかもパチンコ店に置き忘れるという行動は、異常と言うほかない。代表本格始動前日に、複数の選手がその現場に出入りしていた事実も、危機管理意識の低さを露呈した。国内最高峰の体育施設であるNTCに薬物が持ち込まれた可能性もあり、子どもたちの憧れの舞台を汚した事実は重い。
日本の課題とされてきたミドルブロッカーで、次代を担う存在として期待されていたのが佐藤容疑者だった。東北高3年時の18年に日本代表へ初選出されると、205センチの長身と気迫あふれるプレーを武器に、22年、25年の世界選手権メンバーにも名を連ねた。会見に出席した南部正司技術委員長は「大きな期待を持っていた。非常に残念」。その立場を、自ら踏みにじった形となった。
高橋藍や石川祐希らの人気を追い風に、24年VNLでは47年ぶりとなる主要国際大会準優勝を果たすなど、黄金期への期待が高まっていた。その流れに水を差した今回の問題。協会側も「兆候は把握できていなかった」と説明しており、ガバナンスの不備を指摘する声は避けられない。人気拡大の裏で、協会全体に緩みがなかったのか。厳しい検証が求められる。【勝部晃多】


