ラグビーのトップリーグ・ヤマハ発動機の監督を8季務め、昨季限りで退任した清宮克幸氏(51)が、日本協会の6月の役員改選後の新体制で理事などの要職に就く可能性が高まっていることが24日、複数の関係者への取材で分かった。

ラグビー協会は4月に前会長の森喜朗元首相(81)が名誉会長の辞任を表明し、日本協会の若返りを要望。岡村正会長(80)も6月の任期満了で退任する意向で、次期会長就任が有力視されている森重隆副会長(67)を中心とした新体制作りが進められている。早大、ヤマハ発動機を日本一に導いた手腕のほか、高い知名度とリーダーシップを誇る清宮氏に、新たな旗振り役として白羽の矢が立った形だ。

早大、サントリーを指揮した清宮氏は11年にヤマハ発動機の監督に就任。トッププレーヤーが集まりにくいチーム事情の中、スクラムを重視した独自のスタイルを磨き、就任4年目の15年にチームを創部以来初の日本一に導いた。また、スポーツ界以外の人脈も豊富で、9月開幕のW杯日本大会に向け、日本ラグビーの現状を把握しつつ、ラグビー界の枠を超えた発信力という意味でも、大きな役割を担うことになりそうだ。

ラグビー協会の新しい役員は、協会の指名委員会で候補者を決めた後、6月の理事会、評議員会で正式に決まる。現場一筋できた名将の、グラウンド外での手腕に期待が高まる。

◆清宮克幸(きよみや・かつゆき)1967年(昭42)、大阪市生まれ。茨田高でラグビーを始め、早大2年時に日本選手権優勝、4年時は主将として大学選手権優勝。卒業後はサントリーでプレーし、01年に早大監督に就任。大学選手権3度優勝。サントリー監督を経て、11年度からヤマハ発動機監督。15年に日本選手権優勝。現役時代のポジションはフランカー、NO8。家族は妻と2男。