前年度全国大学選手権準優勝の天理大が55-6で同大を圧倒し、1925年の創部以来、初の4連覇を達成した。

自力優勝の可能性があった京産大が今季2敗目を喫し、最終節(30日)の直接対決を待たずに、開幕6連勝で11度目の頂点に立った。後半11分にトライを挙げたフランカー岡山仙治主将(4年)を中心に「修正力」を磨き、悲願の大学日本一をつかみ取る。

   ◇   ◇   ◇

胴上げなし、記念写真なし-。握手だけで4連覇をねぎらいあった天理大の選手が引き揚げ、最後に残った岡山が静かに言った。「主将になった時、僕はプレッシャーを感じました。今まで(の2度は)3連覇止まり。ちょっとホッとしました」。6年後に創部100周年を迎える古豪を背負う男は、新しい歴史を築き上げる重みを感じていた。

長年関西をけん引してきた同大の防御に苦戦し、前半は19-3。ボールを前に運ぶ選手が狙われていることを察知し、後半からは短いパスを活用して前に出た。今年1月、全国大学選手権決勝は明大に17-22で敗戦。この日の同大同様に素早い出足が武器だった天理大の防御に対し、明大は多彩な引き出しで対抗してきた。新体制はチーム全体で、自分が出場していない試合でも「見て考える」意識を徹底。後半6トライを挙げ、岡山は「修正する力。ずっとやってきた、考えるラグビー」と胸を張った。

最終節京産大戦を残し、王者に慢心はない。小松監督は0トライに封じた防御を評価し「今日は同志社のBK。次は京産のFWにどれだけ戦えるか」と目標設定。初の大学日本一へ、さらに強くなる。【松本航】