コロナ自粛、コロナストレス、コロナ肥満、コロナ脂肪……脂肪肝

特集記事

鎌田實

コロナがなんだ! 私たちはウイルスとどう付き合っていけばいいのか。

 テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくかをお伝えしていきます。

★★「コロナ肥満に注意★

ぼくは食べることが大好き。コロナ前は、食事の誘いがあれば、都合のつく限り参加していました。食べながら、生き方のヒントをもらったり、新しい人脈を作ってくれる時間でした。

 お世話になっている方をおもてなししたり、後輩たちにはおいしいものを知ってほしくて、ごちそうすることもよくしてきました。

★毎日体重計に★

 コロナのストレスが続くと、当然太る。体重計には、毎日乗るようにしています。少し太ったなと感じると、朝食と昼食は普段通り食べ、夕食は主食を抜いて、おかずだけ食べます。これを2日ぐらいやると、体重は元に戻ります。

★週末は夕食を早く★

 土日など、夕食時間を柔軟に決められる時は、夕食を5時ごろから始めます。これなら、食べたいものを食べたいだけ食べても、一向に構いません。夕食後翌朝まで、何も食べないようにします。この食べない時間が長ければ長いほど、効果が出てきます。

★朝食は抜かない★

 朝食で体内時計のリセットができるため、免疫力も上がります。免疫力を高めるためには、サーカディアンリズムが大事です。朝ご飯をしっかり食べて、体内時計の修正をしましょう。

 コロナの時代を乗り切るために、朝食をしっかり食べて夕食を少し軽くすることを、1年間心がけてきました。これで自然免疫力を高め、コロナ太りを防ぐことができます。外来の患者さんにもこのことを伝えています。

★コロナ脂肪が増大★

 コロナ自粛が長引く中で、多くの人が気にしているのが体重増加。顔が丸くなったり、おなかが出っ張ってきたり、このコロナ脂肪、放っておくとさまざまな病気を引き起こしかねません。

 ある調査によると、コロナ自粛中の家庭料理で、登場回数が倍増したものがあります。チャーハン、焼きそば、炊き込みご飯、お好み焼き。

 安くて手軽でおなかいっぱいになるメニューが人気になるのはよくわかります。問題は、糖質過多です。

★リンゴ型肥満はダメ★

 糖質は中性脂肪を増やし、内臓脂肪につながっていきます。皮下脂肪は女性に多く、内臓脂肪は男性にたまりやすいと言われています。中年になって、おなかがぽっこりとせり出してくるリンゴ型体形は、内臓脂肪がたまってきた典型例です。

 内臓脂肪が増えることで一番悪いのは、血液がドロドロになって血圧が上がり、脳梗塞や心筋梗塞などが起こりやすくなることです。

 内臓脂肪があると血糖値も上がり、糖尿病にもなりやすくなります。

 内臓脂肪が厄介なのは、満腹感をもたらす「レプチン」というホルモンが分泌されにくくなるために、ついつい食べ過ぎになり、肥満を悪化させるのです。

 コロナ自粛中、ついつい食べ過ぎになっていませんか。人は、たまったストレスを和らげようと、食べることで一時的に満たされ感を得ようとします。

「りんご肥満」はりんご型の体型です。りんご自体は健康な食べ物です

「りんご肥満」はりんご型の体型です。りんご自体は健康な食べ物です

★脂肪肝に注意しよう★

 コロナ自粛中に内臓脂肪が増えている人が多くなっていると前回お話ししました。内臓脂肪は、タチの悪い脂肪ですが、もうひとつ注意すべき脂肪があります。異所性脂肪といい、脂肪が本来ないところにたまってしまうものです。

 代表的なのが脂肪肝です。脂肪肝は、推定1000万~2000万人いるといわれています。脂肪肝を20年放置すると、1~2割の人が肝硬変になり、そのうちの一部が肝臓がんになることが分かっています。

★肝がんが心配★

 以前は肝臓がんというと、ウイルス肝炎が主な原因といわれていましたが、抗ウイルス薬がつくられたため、だいぶ減らすことができました。

 今、肝臓がんの半分近くは、脂肪肝から発生してるといわれています。脂肪肝にならないためにも、内臓脂肪を減らすことが重要。つまり、コロナ脂肪を放置しないということです。

 内臓脂肪も脂肪肝も、問題なのは中性脂肪。中性脂肪は、肝臓で糖質が原料となって構成されます。だからこそ、糖質の取り過ぎに注意したいものです。

 糖質が多く含まれるものは、甘いものや果物、お酒など。もちろんお米にもたっぷり含まれます。毎日お米を食べたい人は、玄米や雑穀米に替えるといいでしょう。

 ぼくの患者さんでも、玄米が苦手という方が多いのですが、5分精米(※)なら食べられるといいます。3分づきとか5分づきなどが売られています。試してください。おいしいです。

※分づき米は、白米を10割の精米率としたら何割精米しているかを示す。数字が小さいほど玄米に、大きいほど白米に近くなる。

(2021年夏に日刊スポーツ紙上で連載。日刊スポーツ・プレミアムでの連載は今回が最終回です)

★鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭和23)6月28日、東京生まれ。東京医科歯科大卒業後、諏訪中央病院で地域医療に携わり、88年、院長。長野県を健康寿命日本一に導く。05年、名誉院長。ベストセラーになった「がんばらない」など著書多数。最新刊に「認知症にならない29の習慣」。文化放送「鎌田實×村上信夫 日曜はがんばらない」パーソナリティー。日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)理事長、日本・イラク・メディカルネット(JIM―NET)代表としてチェルノブイリ、イラクへの医療支援を続ける。