【フィギュア新年直前企画】トルソワらロシア勢に一矢報いた坂本花織/女子データ編

フィギュアスケートは7月1日より新シーズンを迎えます。どんな滑り、戦いが繰り広げられるのか。その直前に、昨シーズンの男女シングルの演技要素(ジャンプ、スピン、ステップ)の得点を一覧にしました。技術と芸術が融合したフィギュアスケートですが、今回は技術にフォーカス。新シーズンに向けての「復習」の意味も込めて。まずは女子編から。

※記録はISU(国際スケート連盟)公認大会より

フィギュア

阿部健吾

<昨シーズンを数字でおさらい>

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■エレメンツ■

10位以内をロシア勢が独占しました。

1位はアレクサンドラ・トルソワ(18=ロシア)が北京五輪・個人戦のフリーで跳んだ1本。4回転ルッツー3回転トーループで19・90点を記録しました。演技後半のため基礎点だけで17・27点となっています。現役女子選手の中で最も多い4回転の種類を操る真骨頂を、大舞台で見せつけました。このフリーでもトーループ、サルコー、フリップ、ルッツに挑んでいます。

北京五輪女子フリー、演技を終えたトルソワはガッツポーズ

北京五輪女子フリー、演技を終えたトルソワはガッツポーズ

 

 

 

 

■出来映え点■ジャンプ

基礎点の高い高難度ジャンプほど加点も大きくなるため、この項目もロシア勢が席巻しました。

1位はトルソワ。欧州選手権フリーの冒頭で跳んだ4回転フリップが4・71点を稼ぎました。ジャッジ9人中、最高評価「+5」が3人。残る6人も「+4」をつけました。基準の6項目(※1)のうち5項目以上を満たすと「+5」が推奨されています。踏み切りから着氷までの姿勢、力みのなさなど、お手本のような軸の細さの1本になっています。

7本をランクインさせたカミラ・ワリエワ(ロシア)も特筆すべき成績を残しています。特に欧州選手権のフリーでは、4点以上の加点をもらうジャンプを2本もそろえました。

(※1)基準の6項目

<1>高さおよび距離が非常によい。(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)

<2>踏切および着氷がよい

<3>開始から終了まで無駄な力がまったくない。(ジャンプ・コンボではリズムを含む)

<4>ジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方。

<5>踏切から着氷までの身体の姿勢が非常によい。

<6>要素が音楽に合っている。

北京五輪フィギュアスケート団体で優勝したROCのワリエワの女子フリー演技

北京五輪フィギュアスケート団体で優勝したROCのワリエワの女子フリー演技

 

 

■出来映え点■スピン

ワリエワがジャンプ以上の評価を獲得しています。上位7位まで独占し、上位10位以内に8回のスピンを記録しています。

1位の1・75点を記録したのは2回。1つは欧州選手権のフリー「ボレロ」終盤のフライングチェンジフットコンビネーションスピンでした。ジャッジは9人中8人が最高の「+5」。基準の6項目(※2)中5項目以上を満たした際に推奨されますが、回転速度、オリジナリティーなどが際立ちます。

(※2)基準の6項目

<1>スピン中の回転速度および/または回転速度の増加が十分。

<2>よくコントロールされた,明確な姿勢。(フライング・スピンの場合には高さ、空中/着氷姿勢を含む)

<3>開始から終了まで無駄な力がまったくない。

<4>回転軸が維持されている。

<5>創造的および/またはオリジナリティーがある。

<6>要素が音楽に合っている。

北京五輪女子SP、演技するワリエワ

北京五輪女子SP、演技するワリエワ

 

 

■出来映え点■ステップシークエンス

上位3位はワリエワが占めました。欧州選手権のSPでマークした1・89点が最高加点です。深いエッジ、緩急の付け方、音の取り方など見る者を引き込みます。基準の6項目(※3)にも5項目以上で推奨される「+5」はジャッジ9人中7人、残る2人も「+4」をつけました。

同得点の3位(1・73点)には坂本花織(シスメックス)の世界選手権SPが入りました。定評のあるスケーティング技術が高く評価されたことがうかがえます。スピンとロシア勢の強さが際立ちましたが、世界女王として堂々の得点を残しています。

(※3)基準の6項目

<1>エッジが深く,明確なステップおよびターン

<2>要素が音楽に合っている。

<3>エネルギー、流れ、出来栄えが十分で、開始から終了まで無駄な力がまったくない。

<4>創造的および/またはオリジナリティーがある

<5>全身の優れた関わりとコントロール。

<6>シークェンス中の加減速が十分。

北京五輪女子フリー、演技する坂本花織

北京五輪女子フリー、演技する坂本花織