【第75回】
眼科検診は絶対必要
コンタクトレンズ
女子大生のB子さんは、友人に勧められてごく軽い気持ちからインターネットで購入したカラーコンタクトを使い始めた。くり色の髪に合わせ、瞳の色も変えてみたかったのだという。しかし、ある朝起きて白目が真っ赤に充血しているのに驚き、眼科に駆け込んだ。
「『1日使用タイプ』ってあったから、着けっぱなしがいけないことだとは思わなかった」とB子さんは話す。だが「コンタクトレンズの使用には、涙の量が十分あるか、角膜の形、瞳の口径に合っているか、という問題もあります。目のコンディションによっては点眼薬の使用も必要だし、連続使用や睡眠時の着用などはとんでもないことです」と、あけお眼科医院(東京・板橋区)の明尾潔医師は語る。
1日ごとの使い捨て(ワンデー)、2週間使用タイプ(2ウイークス)、おしゃれ用など、ソフトコンタクトレンズによってその用途は大きく広げられた。だがその半面、量販店やインターネットで、眼科検診や処方の必要性も知らないままに購入するケースも増えている。
コンタクトレンズの使用に関しては、3〜6カ月間に定期的に検診することが望ましいし、処方が適正かどうかの確認も欠かせない。明尾医師は、必要な目的に合わせてワンデーを処方したにもかかわらず、2ウイークスが出されたなど、処方と違うコンタクトレンズが量販店の扱っている商品として誘導的に販売されてしまうケースがあることを心配する。
「成長期では視力低下の原因が近視や遠視であっても正常眼圧緑内障のような視神経の異常が隠されている場合もあります。眼底や眼圧の検査をきちんと行って、常に目の健康状態を把握しながらコンタクトレンズは装用することが望ましいのです。たとえおしゃれ用であっても、コンタクトレンズの使用は目の呼吸を妨げるものというリスクは変わりません」「コンタクトレンズの使用は、眼科検診とワンセットのもの。コンタクトレンズを販売する側も、眼科検診の重要性と眼科的トラブルの可能性については、強く呼びかけてほしい」と話している。
【ジャーナリスト 月崎時央】
|