北京オリンピック(五輪)のカーリング女子1次リーグは中盤戦を迎えている。10カ国が総当たり戦で争い、上位4カ国が準決勝に進む。

15日に第7戦を迎える4勝2敗で2位の日本のロコ・ソラーレは、3勝3敗で5位の英国と対戦する。相手を率いるのは、日本戦につらい過去を抱えるイブ・ミュアヘッド(31)だ。

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14年ソチ五輪では23歳でスキップを務め、端正な顔立ちに金メッシュの髪のおしゃれないでたちで、日本でも注目を集めた。

それから4年後、18年平昌五輪の3位決定戦だった。相手はロコ・ソラーレ。英国は3-4ながら、有利な後攻で最終第10エンドを迎えていた。先攻の藤沢の最終投は狙いを外れて、ハウスの中心に一番近いNO1は英国だった。

スキップのミュアヘッドはNO2、3の日本の石を動かし、NO1、2を確保して勝負を決めにいった。

だが、その最終投は描いた軌道からずれて、はじいた日本の石が中心へ引き寄せられた。

決めればメダル。その重圧に手元が狂った。ソチ大会からの2大会連続メダルは逃げ、日本は初の快挙を遂げた。「あのショットは、今でも私を悩ませています」。世界カーリング連盟のサイトで胸中を打ち明けるなど、いまも悔いが残る一投だ。

4年後、そのリベンジの時が来た。英国の代表だが、五輪以外ではスコットランド代表として戦っている。同国はチームが代表となる他国と違い、セレクション制を取る。

ミュアヘッドに合うように選手を選抜して、強化する。今大会へも2年間を費やして、北京に合わせてきた。カーリング発祥国の使命も胸に、日本戦を迎える。【阿部健吾】