北京オリンピックフィギュアスケート男子で4位だった羽生結弦(27=ANA)が14日、北京市内で記者会見を行った。羽生は8日のショートプログラム(SP)で、冒頭の4回転サルコーの踏み切り時にブレードが穴にはまって1回転となるミスが出て8位発進。10日のフリーでは惜しくも転倒したが、前人未到の4回転アクセル(4A)に挑み、世界で初めて認定された。

SPとフリーを振り返って「ショートははっきり言ってすごく満足しています。氷に嫌われたりとか、がこってなることはたまにある。その中で崩れずに世界観を大切にできたプラスいいジャンプを跳べたことは、そういう点ではすごく満足している」と話した。そして、フリーについては「ミスは悔しいですけど、上杉謙信というか、自分が目指した『天と地と』に相応しい演技だったと思います。得点は伸びなかったですけどね。冷静に考えたら悔しいですけど、プログラムとしては満足です」と話した。

記者からの質問は、今後のモチベーションについても及んだ。「今まで4Aを跳びたいって言って目指した理由は、心の中に9歳の自分がいて、あいつが『跳べ』ってずっと言っていたんですよ」と4Aを目指すきっかけを説明した。そして「今回のアクセルは褒めてもらえた。ほとんど気付かないと思うけど、実は9歳の時と同じフォームだったんですよ。実は一緒に跳んだんですよ」とフリーで挑んだ4Aは転倒したが、理想通りのジャンプだったという。

4Aへの思いは止まらず「なにより4Aを探す時に技術的にたどり着いたのが、あの時(9歳の時)のアクセルだったんですよ。最後の壁の上で手を伸ばしたのは9歳の俺だったんだなって。そういう意味では羽生結弦のアクセルとしては、これだったんだなって納得できているんですよ。あれがアンダーだったとしても、転倒だったとしても、いつか見返した時に軸が細くて高くて嫌いなジャンプだなって誇れるジャンプでした」と語った。

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