五輪初出場の川村あんり(17)の運動神経の良さは、トップアスリートだった両親譲りだ。

ただ、父と母が履いていたのはスキー板ではない。ともにアイスホッケーの選手だった。父修一さん(56)は実業団の強豪西武鉄道で12年間プレーし、ディフェンスで日本選手権などに出場。母綾子さん(54)は、女子の名門コクドレディースのフォワードとして活躍。日本代表で99年世界選手権にも出場した。

娘も同じ道へ…と思いきや修一さんは「誘導する気持ちはなかった。やりたいといえば当然サポートをしたけれど、スキーのほうに興味を示したので」。

モーグルと同じタイミングで、アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が奮闘中。もし川村がこの道に進んでいたら「スマイルジャパン」の一員として北京の氷上でパックを追っていたかもしれない。【奥岡幹浩】