昨年の東京五輪に続き新型コロナウイルスが世界的に大流行する中での大会は、東京以上に関係者を外部から隔絶する「バブル方式」を徹底した。しかし、開会式が行われた「鳥の巣」を見渡すと間隔は空けているものの、招待客や関係者がまんべんなく客席を埋めた。感染対策として一般客へのチケット販売は取りやめたというが、東京五輪の無観客とは一線を画した。

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組織委は感染対策として、1時間40分という開会式としては比較的短い時間に設定したとアピール。それでも開会式前に35分間、数千人規模の出演者がフィールドでパフォーマンスする「前座」が行われ、なぜこれが開会式の時間として換算されないのか不思議だった。開会式自体も予定時間を約30分もオーバーした。

スポーツと政治は別物というが開催前は政治が話題の中心だった。中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を問題視し、欧米各国が政府当局者を開会式に派遣しない「外交ボイコット」を選択。日本政府も同調し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長を派遣するにとどめた。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は前夜のIOC総会で「スポーツが政治化され、暗雲が漂いそうになった時もあった」と懸念を抱いていたことを吐露。それでも「五輪は人類を1つにできる唯一の存在」とオリンピズムの意義を強調した。

五輪のたびに情勢不安な政治状況がクローズアップされる。スポーツと政治のリンクはタブー視されるが、一方で五輪をきっかけに不遇な状況にある市民や地域が注目されるのも事実。五輪を機に状況が少しでも改善されることを願うばかりだ。【三須一紀】