ノルディックスキー・ジャンプ女子で3度目の五輪となった高梨沙羅(25=クラレ)は、合計224・1点の4位だった。

1回目の5位から順位を1つ上げたものの、2大会連続のメダルを逃し、悲願の金メダルには届かなかった。18年平昌大会の銅メダルからジャンプをゼロから再構築。4年間をかけた挑戦も、願った結果にはつなげられなかった。7日には新種目の混合団体に出場見込み。

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試合後、取材エリアに現れた高梨はショックを隠しきれなかった。新型コロナウイルス感染対策で約2メートル離れた報道陣に、必死に言葉を届けようとした。気持ちの整理はつかず、振り絞った声は小さい。「今すごくいろんな感情がこみあげている。結果で恩返しできなかったのは悔やまれます」と視線を落とした。

1回目、運は味方しなかった。高梨の後続から有利な向かい風がさらに吹いた。98・5メートルを飛んだが、上位勢は100メートル越えまで距離を伸ばす。5位で迎えた2回目は意地の100メートルジャンプを繰り出したが、逆転には、点差が大きすぎた。世界のレベルの高さを感じ「私の出る幕ではないのかな」と弱音をはいた。

18年平昌五輪後にわいた感情は喪失感だった。「終わってしまったな」。銅メダルだった五輪の飛躍の映像を繰り返して見た。何度も何度も、スローでも。「もう世界で戦っていけないかもしれない」と焦りすらあった。だが、このまま勝てない自分は許せない。「仕切り直さないといけない」。そう決めた4年間のスタートだった。

パチンコ玉を広げ、その上に乗せた2枚の板に立ってかがむ。北海道上川町の実家での助走姿勢の練習だ。不安定な足場でバランスを取る。「アプローチはとにかく時間がかかった」。2シーズンを費やし、理想に近づけた。やれることを全てやり尽くした。

ジャンプ仲間に「ジャンプが楽しくないんだ」と思わず打ち明けてしまったこともある。4年間の挑戦は苦しかった。振り返ると「この4年は良い時も悪い時もあった。私は頑張って当たり前…」と言ったところで一瞬、声を詰まらせた。「ただ、やっぱり、頑張っても結果が残せなかったら意味がない。頑張りが足りなかったんだと思います」と悔やんだ。

高梨の北京五輪はまだ終わりではない。7日に行われる今大会初採用の混合団体に出場する可能性がある。4年後へ「今のところはわからないです」と、気持ちをすぐに切り替えることはできないが「とりあえず、次に自分のやることは混合団体で自分の力を出すこと」。北京で4年間の成果を見せるジャンプを見せて、最後は笑いたい。【保坂果那】