いまから北京に行ってきます--。来月開幕の北京オリンピック(五輪)スノーボード女子日本代表の鬼塚雅(23)が日本時間26日、滞在先の米国から北京行きの飛行機に乗る直前に取材対応し、「頑張ってきたものを本番で出せたら」と誓った。所属先の星野リゾートが作成した特別動画に感激の涙を浮かべるシーンも。メダルを期待された4年前に8位と振るわず、悔しさを味わった大舞台へ、決意を胸に飛び立った。

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大きなサポートを力に変え、北京で羽ばたく。決戦の地に向かう前に鬼塚は、自身のために作られたオーダーメード練習コース「Miyabi Park」の完成発表会にオンライン参加。「星野リゾートの皆さんに環境を用意してもらい、いろいろな方に支えてもらっている。結果を出せるように頑張る」と力を込めた。

スロープスタイルとビッグエアの2種目に出場する鬼塚は、まずは5日に予選が行われるスロープスタイルで自身2度目の五輪を迎える。中国到着後はしばらく雪上での練習機会がないそうで、「トレーニングとヨガをやって、コンディションを崩さないようにしたい。体重を減らさないよう、たくさん食べることを心がけて過ごしたい」。

当初の予定では、星野リゾート アルツ磐梯の一角に設営された特設コースで、北京五輪金メダルに向けて練習を重ねるはずだった。コロナ禍の影響で当初の計画から変更を余儀なくされることになったものの、しっかり本番に間に合わせ「とてもいい状態に仕上がって五輪に迎える」。手応えは十分だ。

今季序盤に行われたW杯ビッグエアは2戦いずれも予選落ち。それでも23日のXゲームでは大技「キャブダブルコーク1260」(逆スタンスから斜め軸に縦2回転、横3回転半)を決めて3位に入り、「自信を失っていたけれど、ちゃんと取り戻せたかな」。

この日の会見中、日本各地や海外の星野リゾートスタッフからのメッセージ映像が流れると、感極まった。平昌五輪ビッグエアでは強風の影響で実力を発揮できず8位に敗れ、「オリンピックはあまり好きじゃないなと思います」と悔し涙を流した。あれから4年。仲間の声援を一身に受け、五輪の舞台を大好きな場所に変える。【奥岡幹浩】

◆鬼塚雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日、熊本市生まれ。熊本・ルーテル学院高-早大スポーツ科学部。5歳でスノーボードを始める。8歳で大手用具メーカーとスポンサー契約を結び、世界を転戦。スロープスタイルは15年世界選手権で日本女子初の金。ビッグエアでは20年Xゲームで大技「キャブダブルコーク1260」を女子では初成功させて優勝した。身長158センチ。

◆スノーボード・スロープスタイル コースに設けられたジャンプ台やレールなどの障害物を滑りながら技を繰り出して競う。3人の審判員が全体を、6人が各区間を採点し、合計得点(100点満点)とする。予選の12位までが決勝に進む。予選は2回、決勝は3回滑り、最も高い得点が採用される。

◆スノーボード・ビッグエア 約50メートルの高さから急斜面を滑り降りて大きなジャンプを披露して、その高さ、回転技の難度や着地の出来栄えを得点化して競う。6人の審判員が採点(1人100点満点)し、上下2人を除いた4人の平均が得点となる。予選の12位までが決勝に進む。予選と決勝は3回演技して高得点2回の合計で争う。

◆展望 スノーボード女子ビッグエアは、日本勢の躍進が期待される。17歳の村瀬心はスロープスタイルも含めて今季W杯2勝をマーク。平昌五輪4位の岩渕も今季W杯で勝利を挙げている。鬼塚も先週のXゲームで3位と上り調子だ。平昌五輪で初代女王に輝いたオーストリアのガッサーらが強力ライバルとなるが、日本勢による表彰台独占の可能性も。実現すれば72年札幌五輪スキー・ジャンプ70メートル級の「日の丸飛行隊」以来、50年ぶりの快挙となる。