【ミラノ=木下淳】2022年北京五輪の銀メダリスト鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)が2位で出た。
最終滑走で登場し、トリプルアクセル(3回転半)が乱れて103・07点。それでもステップ満点評価などで大台に乗せ「あちゃ~やっちゃった。でも楽しかった」と笑い飛ばした。イリア・マリニン(21=米国)が108・16点で首位。10・67点差で快勝した団体から一転、世界王者相手に5・09点差を追う展開となった13日(日本時間14日)のフリーでは4回転フリップを投入する。
舞い上がった。好調すぎて跳びすぎた。鍵山が4回転-3回転の2連続トーループと4回転サルコーを美しく決めた最後に、落とし穴。最も基礎点の低い3回転半で着氷が乱れた。「回転を抑え切れなかった…はは。回り過ぎた」と笑うしかない。得意のSPで先手を取れず、フリーの自己ベストで29・30点も下回るマリニンに後れを取った。
言い訳は全否定した。前滑走の王者が完璧だった重圧も、自身の3種4本に対して全6種7本の4回転をフリーで繰り出す相手に「SPは参考にならない」。団体から中2日で迎えた疲労も相手は中1日で、表彰式の刃こぼれ騒動も同条件だ。「全く大丈夫」。反対に団体のSPで完勝した勢いが持続し「体がキレキレで、めちゃくちゃ動いていた分、浮き上がりすぎた」結果の減点だった。ステップは全29人で唯一の出来栄え満点。演技構成点も1位で今季SP3戦2勝の必勝パターンだったが、技術点の差は埋め切れなかった。
持ち点を考えれば望み薄も、前回の銀より輝く色は諦めない。「フリーは4回転フリップを投入する。金メダルはオプション、後から付いてくるもの」。無心で演じるは、この国での06年トリノ五輪で荒川静香が金メダルをつかんだ「トゥーランドット」。当地ミラノのスカラ座で初演されてから100周年を迎える名作オペラで、伝説になる。
◆木下淳(きのした・じゅん)1980年(昭55)9月7日、長野県飯田市生まれ。飯田高-早大。4年時にアメフトの甲子園ボウル出場。04年入社。文化社会部時代の08年ベネチア映画祭でイタリア初出張。ミラノは2度目。東北総局、整理部、スポーツ部。23年からデスク。25年からDCI推進室と兼務。高校野球の甲子園取材は春2回夏3回。サッカーW杯は1回。五輪は夏3回冬2回。五輪パスはE、Es、ET、Ecの4種を保有している。

