日本がチーム(脳性まひ)でタイに2-7で敗れた。昨年のリオデジャネイロ・パラリンピック決勝と同じカード。杉村英孝(35=静岡ボッチャ協会)広瀬隆喜(33=西尾レントオール)中村拓海(19=伊丹ボッチャクラブ)のメンバーで臨み、第4エンドまでは2-2と競り合ったが、第5エンドに4点を失い、反撃を狙った最終第6エンドも逆にダメ押しされた。

 日本で初開催のボッチャ国際大会。コートを取り囲むように設けられたスタンドには269人の観客が足を運んだ。主将の杉村はまず「国内では今までにない雰囲気で、20年東京へいいシミュレーションになりました」と、勝敗よりもこの大会の意義を強調した。そして「アプローチの精度が落ちてボールを固められなかった。もっと精度を上げていかないと…」と勝負を分けた第5エンドを振り返った。

 第4エンドまでは正確に狙ったポイントに届いていた日本の投球が乱れた。広瀬も言った。「それまでの1点ずつを取り合う戦いから、ミスが出てガボッと点を取られた」。制球が乱れた分、先に6個のボールを使い切り、終始正確なプレーに徹したタイにボールを固められた。リオ後にメンバー入りした中村も「パワーや技術では負けていないと思うけど、タイは後半が強かった」。

 リオの決勝で敗れて以降、タイとは1勝1敗だった。10月にバンコクで行われたワールドオープンでは勝っていただけに、ホームでも白星を続けたいところだった。「やはり、負けは悔しい。明日、もう1試合できますから」と杉村。19日にも同じカードが組まれている。東京での金メダル獲得へ向けて、日本が世界ランキング1位から白星を狙う。

 ◆ボッチャ 目標の白いボール(ジャックボール)に向かって赤と青のボールを1エンドで6球ずつ、投げたり、転がしたり、他のボールにぶつけたりしながら、自分のボールを目標に数多く近づけることで得点を争う。カーリングに似ているが、目標のボールが移動することが最大の違い。重度の脳性まひ者、同程度の四肢運動機能障がい者のために欧州で考案された。男女の区別はなく、BC1から4の4つのクラスに分かれて個人、団体戦(2対2のペア、3対3のチーム)が行われる。チームは6エンド制。