運動機能障害BC3のペアで、日本は英国に0-4で敗れた。

 高橋和樹(37=自立生活センターくれぱす)と田中恵子(35=石川県ボッチャ協会)でスタートし、第2エンドからは田中に代えて18日にもプレーした松永楓(22=チーム心)を起用。ほぼ互角に戦いながら、各エンド1点ずつ失って完封を許した。18日の第1戦は3-4のクロスゲームを落としており、悔しい連敗になった。

 高橋は冷静に試合を振り返った。「同じ相手と同じ形で連戦する経験はなかった。GB(英国)は前日から距離を変えてきて、それに対応できなかったのが敗因です」。英国は第1戦に比べてジャックボール(目標の白いボール)をコートの遠い位置に配球。相手の自在な戦術変更に、日本は勝負どころで投球の精度を欠いた。

 「ペアでは世界と力の差はないと思う。だから逆に1つのミスで流れが変わってしまう。僕たちは経験が少ないから、そこを何とかしていかないと。対応力を養っていければ…」と高橋。英国チームは12年のロンドン・パラリンピック後から同じメンバーだが、高橋、松永、田中は今年3月にチームを組んだばかり。毎年の日本選手権の成績で強化選手が選定されるため、メンバーが固定しにくいことも経験値不足につながっている。

 20年東京へ向けて団体戦、特にペアの熟成度アップが日本の1つの課題になりそうだ。

 ◆ボッチャ ジャックボール(目標の白いボール)に向かって赤と青のボールを1エンドで6球ずつ、投げたり、転がしたり、他のボールにぶつけたりしながら、自分のボールを目標に数多く近づけることで得点を争う。ジャックボールは各エンド交互に投げる。カーリングに似ているが、目標のジャックボールが移動することが最大の違い。重度の脳性まひ者、同程度の四肢運動機能障がい者のために欧州で考案された。男女の区別はなく、BC1から4まで4つのクラスに分かれて個人、団体戦(2対2のペア、3対3のチーム)が行われる。ペアは4エンド制。