日本スポーツ振興センター(JSC)による「ナショナルタレント発掘・育成プログラム五輪・パラリンピック一体型合同トライアル」が、25日から2日間に日程で都内の国立スポーツ科学センターで始まった。全国規模で将来性豊かなアスリートを見いだし、適性に応じた競技・種目の選定や競技団体への育成ルートをつなぐ機会を提供するもの。

 第1日は五輪対象35人(女性16人)、パラ対象9人(同4人)が参加。五輪8、パラ1競技団体の関係者が見守る中で30メートルダッシュ、垂直跳び、反復横跳び、ワットバイクなどのメニューを消化した。

 ひと通りのメニューを終えるとメディア関係者に取り囲まれたのが神奈川県から参加した山下千絵さん(20=法大)だった。9歳のときの交通事故で左足の膝下を切断。幼いころからプレーしていた硬式テニスを続けてきたが、今年になって陸上短距離を始めた。大学でパラ陸上選手の講演を聞いたのがきっかけだった。

 10月に手に入れた板バネ式の競技用義足を着けて参加しただけに、その姿はすでにアスリート。100メートルのベストは15秒96で、同じT44クラスの日本記録は高桑早生(25=エイベックス)の13秒43だ。「たまたまポスターを見て参加しました。陸上関係の情報が少しでも分かるかなと思って」。来年5月の大分パラ陸上でデビューを予定している。