競泳男子200メートル個人メドレーでフェルプスは史上3人目の同一種目4連覇。通算22個目の金メダルを獲得した。

 圧倒的な力で男子200メートル個人メドレーを制したフェルプスは、右手の4本の指を動かしながら4連覇の偉業をアピールした。「ラスト五輪」と宣言したリオでの最後の個人メドレーレースで勝利し「すごいことをしたと思う。夢がかなった」と快挙を喜んだ。

 盟友ロクテ、地元のペレイラとのデッドヒート。150メートルでトップに立つと、ラスト50メートルで一気に引き離した。追い上げた萩野を寄せ付けずにゴール。「水の怪物」は、今大会4個目、通算22個目の金メダルで、カール・ルイスら2位の9個を大きく引き離した。

 大会前、5回目の五輪で初めて旗手に選ばれ「涙が出た。こんなに名誉なことはない」と言った。ロンドン五輪の後、1度は競技から離れながら復帰して迎えた大会を「今回はリラックスして楽しもうと思う」と話していたが、レースになれば強さだけが目立った。

 スタンドで観戦した妻ニコラさんと5月に誕生した息子のブーマーちゃんの前で史上4人目、競技人生の短い競泳では初の4連覇を果たした王者は「誰もできなかったことを成し遂げたんだ。今は幸せな瞬間にひたっている」と、優しい表情で話していた。【荻島弘一】