男子100メートル決勝で、前日本記録9秒97を持つサニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)は、10秒29で6位だった。

24日は予選10秒29、準決勝10秒30。準決勝は各組3着以下のタイム順で上位2人に入って、全体7番手で決勝に進出した。準決勝では序盤でふくらはぎがつる感覚もあって、得意の後半で伸びを欠いた。ぎりぎりでの通過に「運、良かったですね。通ったからには準備して、誰も注目していないんで、優勝かっさらって帰ろうかなと思います」と話していた。

コンディションが上がっていないことは明らかだった。5月31日に拠点の米国で1年7カ月ぶりの実戦をこなしたが、追い風参考3・6メートルで10秒25だった。

16年リオデジャネイロ五輪選考は、直前のけがで日本選手権を欠場した。17年から米国に拠点を移して、プロにもなった。独自路線を進む22歳は初の五輪をかけて決勝に臨んでいた。

 

◆選考方法 1位の多田、3位の山県はともに参加標準記録(10秒05)を突破済みで、「3位以内」に入ったため2人は代表に決定。2位のデーデーは参加標準記録をクリアできておらず、世界ランキングでの出場資格にも遠く届いていない。そのため日本選手権で「3位以内」には入ったが、100メートル代表にはなれない。残る1枠は参加標準記録を突破した選手の中から、日本選手権の上位順で選ばれるルール。そのため4位の小池が決定的で、1種目最大3人までの条件から、5位の桐生、6位のサニブラウンは落選となる。

男子400メートルリレーについては、日本選手権が選考上「最重要選考競技会」と位置付けられている。100メートルの代表選手に加え、200メートルの代表選手との兼ね合いになるが、デーデーが代表入りする可能性も十分。また「特性と戦略を考慮」して選考するとされており、桐生やサニブラウンの可能性も残っている。