女子1500メートルの日本記録を持つ田中希実(21=豊田自動織機TC)が、同種目で日本勢初となる五輪出場を決めた。世界ランキングで出場圏内(45位以内)の31位。同42位の卜部蘭(26=積水化学)と共に、歴史を変えるレースに向かう。

過酷な夏を想定し、着々と準備を進めてきた。昨年12月の日本選手権(長距離)で5000メートルの五輪切符を獲得。1種目に集中することもできる状況下で、今春は1500メートルの連戦をこなし、世界ランキングに反映されるポイントを稼いだ。先月27日の日本選手権最終日には800メートル決勝を経て、約30分後の5000メートル決勝に出場。共に3位と健闘し「未知の部分に挑戦できた」とタフさを示した。

五輪では8月2日の午前に1500メートル予選が行われ、夜に5000メートルの決勝が組まれる。「(2レースを)短いスパンで走れたことが、生きてくるんじゃないかなと思う」。歴史的な1500メートル出場だけで、満足する気はさらさらない。1500メートルの日本記録4分5秒27は昨夏、同じ兵庫・小野市出身の小林祐梨子の記録を14年ぶりに更新したものだった。歴代のトップ選手が届かなかったレースに、全ての力を注ぎ込む。【松本航】

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