東京オリンピック(五輪)の陸上男子100メートル代表多田修平(25=住友電工)は9秒台で歴史の扉を開く。

5日、大阪市内で会見。「個人でファイナルを目標に掲げてきた。準決勝で100%の力を出し、9秒台を出せれば、決勝も見えてくる」と抱負を述べた。自ら「緊張感がある方がいい走りができるタイプ」と頼もしい。日本人が何度もはね返されてきた舞台で、自己記録10秒01を更新し、32年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳以来、日本人89年ぶり同種目ファイナリストを目指す。

期待を背負う400メートルリレーでは第1走者を担うのが決定的。「いいスタートを切って、金メダルを獲得できるように」と意気込む。今は五輪で結果を出すためにすべてを注ぐ。家族からは祝福のケーキを用意されたが、「五輪が近いので上のフルーツだけをもらって、食べました」。まだスタートラインに立てるだけ。浮かれた様子はない。