東京オリンピック(五輪)を目指すバドミントン男子の遠藤大由(33=日本ユニシス)が日刊スポーツの電話取材に応じた。新型コロナウイルス感染拡大もあり、3月の全英オープン(OP)から帰国後、練習がほとんどできず、自宅などでトレーニングを続けている。1年後の東京五輪、「未来」への思いを明かした。【取材・構成=松熊洋介】

2大会連続の五輪出場を狙う遠藤は、30代のベテランだ。1年延期となった五輪を34歳で迎えることになったが、未来へ大きな希望を感じている。今年開催だと「間に合わない」という不安があったという。「もう少し時間があったら、もっと良くなると感じていた」からだ。

渡辺勇大(22=日本ユニシス)とペアを組み、全英を制覇。「実は優勝してから課題が見つかった。帰国後は考えられなかったが、試合を振り返って、レシーブがしっかりできていなかったり、動けていなかったり。ウソだろって思うくらい下手な時もあった」と新たな発見があったことを明かした。

延期を前向きにとらえ、その思いを家族とも共有する。「自分のことを見つめ直す機会を与えられたと思えば、再開した時に取り組める。今後に生かす、いいチャンス」。A代表最年長。若い選手も台頭してきたが、自分への期待と希望しかない。スタミナの衰えは感じるが、昔から成長への探求心は変わらない。「若い選手に負けたくない思いは強い。もっと強くなると思っている」。

12年に結婚し、2児の父。家で家族と長い期間を過ごしながら、東京五輪の先も見据える。「やろうと思えば、33歳でも続けていくことはできる。すべては東京五輪でどうなるか」。1年後の結果が、その先の未来も変えていく。

◆遠藤大由(えんどう・ひろゆき)1986年(昭61)12月16日、埼玉県生まれ。小松原高(現叡明高)から日体大へ。卒業後の09年に日本ユニシス入社。早川賢一とペアを組み、15年世界選手権男子ダブルス3位、16年リオデジャネイロ五輪同5位。リオ五輪後に、渡辺とペアを組む。172センチ、72キロ。

◆ファンと触れ合うSNSの新アカウント 「Badminton_PlayersRoom」と命名し、渡辺、女子シングルス奥原、男子ダブルス嘉村が3月22日に開設。その後、東野と、女子ダブルス永原も加わる。現在はインスタライブや、ファンからの質問に答える活動などを行っている。