カナダのオリンピック委員会(COC)とパラリンピック委員会(CPC)は22日(日本時間23日)、新型コロナウイルスの感染拡大下、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが予定通り今夏に開催された場合は選手団を派遣しないと表明した。各国・地域のオリンピック委員会(NOC)が「ボイコット」の意思を決定したのは初めてとなる。

共同声明によると、国際オリンピック委員会(IOC)や世界保健機関(WHO)に対して大会の1年延期を要請。IOCが延期を含めて検討すると発表したことには「延期が合意することに期待している」理解を示した。

開催可否をめぐって同国では、14年の冬季ソチ五輪アイスホッケー女子でカナダの4連覇に貢献したIOC委員のへーリー・ウィッケンハイザー氏が、今夏開催について「無神経で無責任。選手は練習も移動もできていない。五輪予選も世界各国で中止になっているのに」と批判もしていた。

また、オーストラリアのオリンピック委員会(AOC)も23日、今回のIOC方針を受けて理事会を開催し、1年後の21年夏に向けて準備するよう自国選手に向けて方針を示した。新型コロナの感染拡大状況が現状のままでは選手団を結成できないと一致した。