東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、五輪開幕50日前となる3日に大会の表彰式アイテム(表彰台、衣装、メダルトレイ、音楽)発表会を東京・有明アリーナで行った。

ゲストアスリートとして12年ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級の金メダリスト村田諒太が出席。「誰も予想しなかったパンデミック。五輪やスポーツが伝えたいのは現状に負けない力、自分自身を超えていく力だと思います」。逆風があることには「よくアスリートに、この時期にオリンピックやっていいのか、やめるべきなんじゃないか、と聞く人がいますけど、アスリートは決める立場にない。経験者として、やるのであれば盛り上げましょう、やるのであれば意義を持たせましょう、と。意義を作っていかなければいけない。この舞台に活躍する選手が何を感じるか、それが大事だと思います」と話した。

92年バルセロナ五輪の女子200メートル平泳ぎ金メダリスト岩崎恭子さんは「五輪の後に大変な思いもしたんですけど、もう1回、頑張ろうと思えたのも五輪があったから。13年に招致が決まって、東京で、日本で五輪が見られるんだ、とうれしかった。しかし、この1年、ガラッと環境が変わってしまって、さまざまな意見があることは承知しています。でも、選手たちが決められる問題ではない。大会に備えてもらい、あと50日後に、思いがつながってくれれば」と期待した。

パラリンピックの競泳で金メダル5個を含む計21個のメダルを持つ河合純一さんは「苦しい1年だったと思うけど、その中で地道に着実に、成果に結びつけてきた人を見てきた。特にパラアスリートは後天的に障がいを持った方が多く、その中で目標を見つけるうまさがあると思う」。パラリンピックのスキーで金メダル2個(計10個)獲得の大日方邦子さんは「久々にスポーツエリアに来て、広いんだな、こんなに天井も高いんだな、ここで活躍してくれるんだな、と思いました。表彰台を見た時、ずいぶん前ですけど自分が乗った時の思いがよみがえりました。この1年、経験したことのない時間を過ごしてきましたが、皆さんは誰も経験したことのない道のりを切り開いていく。いろんな方々にサポートしてもらいながら進んでほしい」とコメントした。【木下淳】