日本セーリング連盟は、すでに発表していた来年に行われる東京オリンピック(五輪)前哨戦で国際大会の「ワールドイズワン江の島セーリングカップ2021」の期日を、21年6月8~15日に東京五輪会場である江の島で行うと16日、発表した。

同大会は、今年6月に開催予定だったW杯ファイナル江の島大会の代替え大会の位置づけだが、W杯ではない。しかし、同連盟の河野博文会長は「できるだけ多くのセーラーに、五輪会場の江の島で戦うチャンスを与えたい」と、五輪前に国際大会開催に踏み切った。

ただ、開催に向けての課題は山積みだ。関係者によると、参加は海外や国内選手、スタッフら総勢1000人程度を想定している。そして、競技の特質上、自然を相手にするため「5月から、海外の選手やスタッフは日本に入ってくる」(河野会長)となる。

選手たちは、そのまま五輪が終わるまで帰国しないため、海外から相当の人数が5月から五輪終了の8月上旬まで日本国内に滞在することになる。東京五輪組織委や東京都が、コロナ感染防止のため、ある程度、厳格な滞在管理を考えている中、3カ月以上も、同連盟が多くのセーラーを統括できるかどうか。

また、関係者によると、同国際大会の宿泊は、大会側から提供する予定がないという。つまり、各国に任せっきりとなれば、滞在管理をできなくなる可能性は高い。まして、東京五輪のセーリング競技の選手村は、大磯プリンスホテルの一部を借り上げる形だ。もともと同競技の選手や関係者を全員収容できる能力はないという。

同連盟にとっては、コロナ禍での大きなチャレンジとなるが、河野会長は「もちろん、国や組織委の規則やルールに沿って行いたい」と話す。国や組織委が決める規則が厳格化された場合、この国際大会の開催自体も危ぶまれる。