東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの1年程度の延期決定から一夜明けた25日、県内のサッカー五輪候補が胸中を明かした。同競技の男子代表は、原則23歳以下で構成される。J2ジュビロ磐田FW小川航基(22)は、来年24歳。出場資格を失う可能性もある中、現在の思いを語った。来年も出場権を持つJ1清水エスパルスDF立田悠悟(21)とDF岡崎慎(21)は延期決定を冷静に受け止め、クラブでの活躍を誓った。

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磐田FW小川航は、不安を隠せなかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京五輪の延期が決定。サッカー男子代表は、原則として出場選手に「U-23(23歳以下)」の年齢制限を設けてきた。現行の規約で21年を迎えた場合、同年8月に24歳を迎えるストライカーに残される道は、オーバーエイジ枠での出場と厳しい状況になる。

昨夏、成長を求めてJ2水戸への育成型期限付き移籍を決意。17試合で7得点と結果を残した。磐田に復帰して迎えた五輪イヤーの今季も、開幕戦で2得点と好調を維持していた。小川航は「こういう状況。仕方ない」と、延期に理解を示した上で「いろんなものを犠牲にして、五輪に向けた選択をしてきた。正直、メンタル的に難しい。年齢制限のところがどうなるのか、気が気でしかたない」と、複雑な思いも吐露した。

もっとも、国際オリンピック委員会(IOC)と国際サッカー連盟(FIFA)が特例として規約の変更措置を取る可能もある。現時点で、五輪への道が完全に断たれた訳ではない。小川航は「今はプレーの精度を上げることしかできないと思う。僕が出場資格を得られると信じて、しっかりと力をつけていきたい」と言葉を振り絞り、必死に前を向いた。