東京オリンピック(五輪)の男女サッカー競技の組み合わせ抽せん会が21日にスイス・チューリヒで行われ、A組の男子日本代表は南アフリカ、メキシコ、フランスと同組になった。

一方でスペイン、アルゼンチン、エジプトと各大陸予選の王者が集結したC組が「死の組」、D組にもブラジル、ドイツと強豪が入った。日本にとっては上位進出へ望みをつなぐ組み合わせとなった。まずは初戦、予選3位突破の南アフリカ戦(7月22日、東京スタジアム)で勢いをつけることが大切になる。

   ◇   ◇   ◇

目標の金メダルへの挑戦の道が決まった。1次リーグは順に南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦する。抽せん会終了後にオンラインで取材対応した森保一監督(52)は「どこと当たっても、同等のメンタルで戦えるだけの経験を(選手は)させてもらった。気後れすることはない」と、言葉に力を込めた。

「目標は1次L突破ではなく金メダル」。優勝候補が集結したC組やD組のチームとは準決勝まで当たらないことが決まり、決勝トーナメント進出を果たせば一気に4強も視界に入る。初戦で当たる南アフリカ戦で勝利できるかが、大会全体の流れを決めるポイントになりそうだ。指揮官は「初戦は非常に大切。力を出し切れるように準備したい」と語った。

2戦目のメキシコは12年ロンドン五輪で金メダルの実績を持つ。日本は19年9月、国内組が主体だった北中米遠征で対戦。スコアレスドローだったが、海外組の久保らが加われば勝機は高まる。連勝で勢いに乗って1次リーグ最終戦で、ヤマ場のフランス戦を迎えたい。

フランスはバルセロナで主力のデンベレらタレントをそろえる。だが意外な“追い風”もある。五輪と同時期に欧州選手権と南米選手権が開催される。両大陸のA代表は真剣勝負の期間に入る。裏を返せばオーバーエージ(OA)の自由な起用は難しい。場合によっては、18年W杯ロシア大会で優勝に貢献した五輪世代のFWエムバペ(パリ・サンジェルマン)らA代表に招集される選手も出てきそうだ。

昨年までは結果が伴わない時期が続いたが、直近の活動である3月には、優勝候補のアルゼンチンと1勝1敗と互角の戦いを演じた。不在だったMF堂安律やDF冨安健洋、さらにOAとして当確のDF吉田麻也、FW大迫勇也らが加われば戦力はもう一回りアップする。6月の活動には早くもOAを合流させ、仕上げに入る。「大切なことは、どの国との試合になってもいい準備をしてプレーすること。これまでやってきた経験に自信を持って挑みたい」と指揮官。万全の備えで、開幕を迎える。【岡崎悠利】

◆日本協会の田嶋幸三会長 (組み合わせ決定に)男女とも非常に厳しいグループに入ったが、どの国もいずれは対戦しなければならない。メダル獲得を目指して頑張ってほしい。