東京五輪に出場するサッカー男子日本代表は6日、静岡県内で合宿2日目の練習を行った。オーバーエージ(OA)枠で参加しているMF遠藤航(28=シュツットガルト)が、真夏の過密日程の中、決勝までの全6試合出場を宣言した。今季ブンデスリーガのデュエル勝利数トップに輝き、悲願達成には不可欠な存在。チームが取り組む暑熱対策を強みに、日本が誇る「デュエル王」が金メダルまで駆け抜ける。

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遠藤が頼もしく語った。「全部出るつもりで準備している。決勝まで出続ける姿を見せたい」。22日が初戦の五輪は、中2日で決勝まで6試合をこなすハード日程。キックオフはすべて午後5時以降とはいえ、暑さによる消耗は必至だ。「誰が出ても結果が残せる総合力が試される」としつつ、自身はフル稼働を誓った。この日の練習ではランニングの先頭を走り、インターバル走など高強度のメニューを黙々とこなした。

湘南育ちでハードワークは得意分野。浦和時代も、練習中に膝に手を置く姿を見せたことがない。「意識している。その時は苦しいけど、その方が回復につながる。きつい方が自分のためになるし、そうしないと充実感がない」。日々、妥協せず、局面に負けない肉体を作り上げてきた。

そんな鉄人にとっても、真夏の過密日程は未知の領域だ。「中2日でいかにパフォーマンスを落とさずやりつづけられるかはチャレンジ」と覚悟を口にした。1試合の走行距離が12キロにもなるボランチで戦い続けるため、水分補給は大事なポイントとなってくる。

メンバーの半数近くが欧州組。蒸し暑い日本の気候に順化するため、チームでは今合宿から水分補給の促進に取り組む。松本良一フィジカルコーチは「体重が2%落ちると持久力に影響が出るというエビデンスがある」。水や糖質を混ぜたもの、シャーベット状のものなど、選手個々が摂取しやすいよう工夫している。

主将として臨んだ16年リオデジャネイロ五輪では1次リーグ敗退。「もっと(仲間と)一緒にプレーしたかった」という思いが糧となっている。「プレーやメンタルもサポートしたい。金メダルをとるつもり。そこだけです」。OAの責任感とともにリオでの悔しさを晴らすべく、準備を進める。【岡崎悠利】