東京五輪(オリンピック)・パラリンピック組織委員会は16日、コロナ禍で行われる聖火リレーの事態対応について都内で会見を開いた。

感染症対策をした上で観覧することは認めているが、沿道で密状態が続いて解消されない場合には、当該区間のスキップを検討する。リレー開催中の都道府県でクラスターの発生や緊急事態宣言が発令された時には、走行中止や無観客でのセレモニーのみとなることも想定している。

聖火リレーは今月25日に福島・Jヴィレッジをスタートし、121日間かけて全国47都道府県を巡る。沿道の観覧者にはフィジカルディスタンスを徹底させ、密状態での観覧自粛を呼び掛ける。

密集の定義は<1>多くの観覧客が肩が触れあう程度に密接している<2>観覧客が十分な間隔を空けずに複数列に重なり合っている。こういった状況が見られる場合、組織委が先導する広報車で解消を促し、近くにいるスタッフからも密集を避けるよう呼び掛ける。

密が解消されずエスカレートすることが予想される場合は、「このまま解消されなければ、走行を取りやめにせざるを得ない」などのより強い注意を行う。それでも解消されない場合は、ランナーに割り当てられた走行場所をスキップする可能性も検討するとした。

武藤敏郎事務総長は「聖火リレーはオリンピックの機運を高めるのも事実だが、コロナ対策とてんびんに掛けた時に何ができるかを考えている」。組織委職員ら東京から参加する運営スタッフにはスクリーニング検査を行い、それぞれ陰性が確認された上で現地派遣するとした。【平山連】