#お母さんいつもありがとう-。

母の日に、バレーボール女子日本代表主将の荒木絵里香(35=トヨタ車体)は「母のおかげで今の自分がいます」と、母和子さんへの感謝を口にした。

最大の目標だった東京オリンピック(五輪)が1年延期。現代表メンバー最年長の35歳。五輪を待たずの引退も「ゼロではなかった」。しかし、和子さんや夫、家族に背中を押され気持ちを新たにした。4度目の五輪へ「最後に、もうひと頑張り、一緒にお願いしますと言いたい」。

母がいなければ、ママさん選手として競技を続けることは不可能だった。代表合宿などで家を空ける際には、長女和香ちゃん(6)の勉強をみてもらい、食事も協力してもらっている。14年1月の出産後も、第一線で競技を続けてきた。その決断は、母の存在なしにはなかった。「(母は)一緒に戦ってくれる同志みたいな存在」だという。

例年この時期には、家族で旅行し、絆を深めてきた。昨年までは、和香ちゃんが幼稚園で作った作品をプレゼントされていた。今年は新型コロナウイルス感染拡大で、そうはいかない。影響は母の日だけではなく、競技人生にも及んだ。まさかの東京五輪1年延期。「2020年夏を集大成と考えていましたので、衝撃は大きかった」。

気持ちを切り替えることができたのは、家族の存在があったから。母からは「自分の思うようにやってもいいんじゃない」。この言葉が背中を押してくれたた。現在は、自宅周辺を走る程度。練習が満足にできない状態に不安はあるが、今できることに、懸命に取り組んでいる。

恩返しは1年後の五輪。「(五輪まで)あと1年ちょっと。終わった時に、みんながサポートして良かったという成果が残せるよう頑張りたい」。カーネーションより何より、全力で頑張るママの姿と12年ロンドン五輪以来のメダルを、家族に届けたい。【平山連】