【根絶のために】まずは、今日を境に金輪際やめよう。打席でのカンニングが多すぎる

さまざまな角度からサイン盗みを考察してきた連載も最終回。根絶のために…アマからプロまで、あらゆる場面を見てきた小島信行記者から、野球界全体へ気持ちのこもった問題提起です。(2019年5月25日掲載)

その他野球

★「プロ注」も…ガックリ

サイン盗みをなくすためには、どうすればいいのか? 簡単でないのは、ここまでの連載を読んでいただければ分かってもらえると思う。

あくまでも私見だが、サイン盗みをなくすためには、まずはルール違反の罰則を発動しやすく、厳格にするべきだと思う。

疑わしい行為があった時点で、そのプレーヤーはアウトとする。例えば走者が打者にサインを送ったり、コーチが不自然な動作をしたと判断したら、その時点で打者をアウトにすればいい。

証拠がそろわなければペナルティーを科せられないのでは、サイン盗みは取り締まれない。

もちろん、疑わしい行為があって、その後の調査でスパイ行為やサイン盗みがあったのなら、出場停止処分など、もっと重い罰を科せばいい。

いきなり重いペナルティーだけだと処罰しにくいし、軽いだけだと効果は少ない。2段構えのペナルティー制を導入すれば、簡単には違反できなくなる。

サイン盗みの現状を見ると、日本では中学、高校の低いカテゴリーで盛んに行われている傾向にあり、アメリカはその逆で、最高峰のメジャーリーグで浸透している。

日本のアマチュア野球では、もっと厳しく取り締まってもらいたい。

高校野球を見ていて、打者がチラチラと捕手の方を見る、見苦しい場面が多すぎる。球数制限などを論議する前に「カンニング行為」を取り締まれば、投手の負担だって減る。

球審が分からなくても、各塁審が打者が捕手の方を見たのが分かった時点でアウト。今年の選抜大会でも、プロ注目と言われている選手が「チラ見」をしていてガックリした。

★世界に恥を広めないで

個人的に、高校野球で「チラ見」していた選手のプロ入り後を注目しているが、大成していない。

プロ入り後も「チラ見」を続けているように見える選手が、若手の侍ジャパンに選ばれたが、とても応援する気持ちにはなれない。世界大会などに出場し、世界に日本野球の恥を広めてほしくないからだ。

小学生や中学生にも、指導者が徹底して教育してほしい。

プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。