【平山姫里有】第2の人生も全力 現役時の悩みが産んだこだわりカフェ/社会人の今

フィギュアスケートの2024―25年シーズンも最終盤に突入しました。26年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)を見据えて、多くの有力選手が大事な1年を過ごしてきた一方、フィギュア界から羽ばたき、別の場所で人生を送っている元選手たちがいます。

日刊スポーツで21年冬に掲載したシリーズ「銀盤に別れを告げた選手たちの今」の第2弾。

シリーズの第4回に登場するのは、幼い頃からアイスダンス一筋で活躍した平山姫里有さん(25)。21年の現役引退後にカフェをオープンし、第2の挑戦を続けています。

フィギュア

◆平山姫里有(ひらやま・きりあ)1999年(平11)3月31日、岡山県倉敷市生まれ。小学1年生でスケートと出会い、小4でのアイスダンス挑戦をきっかけに岡山市へ引っ越した。倉敷FSCで有川梨絵コーチに師事。18年全日本選手権ではフランス出身のアクセル・ラマッセと組んで2位。20年春に立野在とカップルを結成。22年北京五輪を目指したが、21年全日本選手権を最後に現役引退。引退後はモデルや地元誌のアンバサダーなどインフルエンサーとして活動。並行して玄米を使ったおにぎり店「and genmai(アンド玄米)」を市内でテント出店。23年8月に「and green tea(アンドグリーンティー)」をオープンした。身長150センチ。

リンクからキッチンへ

岡山駅から約1キロ東に広がる、県内最大の商店街「表町商店街」。

約420年前、岡山城の築城とともに整備されたこの通りには、約250の店舗が軒を連ね、歴史の息吹が静かに漂っている。

そんな中、ひときわ目を引くお茶カフェがあった。

緑のシックなナチュラルテイストをまとったその店は、自然素材の温もりと洗練された雰囲気が調和し、周囲の店とは一味違う魅力を放っていた。

窓越しに、若い女性が一人、カウンターで丁寧に抹茶を扱っている姿が見える。

彼女の名は平山姫里有。アイスダンサーとして18年の全日本選手権で2位に輝くなど、21年末にスケート靴を脱ぐまで全国を舞台に活躍し続けたスケーターだ。

岡山国際スケートリンクから約3キロ、ステージをリンクからキッチンに移した今も、真剣に臨む姿は現役時代と変わらない。

提供するのは、淹れ方や素材選びにこだわった抹茶ラテや酵素玄米などのメニューの数々だ。

インタビューを通して、ストイックで研究熱心な姿勢がひしひしと伝わってきた。

岡山表町商店街の様子。中央の緑色の店舗が平山さんの「and green tea(アンドグリーンティー)」(撮影・勝部晃多)

岡山表町商店街の様子。中央の緑色の店舗が平山さんの「and green tea(アンドグリーンティー)」(撮影・勝部晃多)

―お店を開くまでの経緯を教えてください

平山私が小さい頃から両親が飲食店を何店舗か経営していて、それを近くで見たり手伝ったりしてきたのでずっと「私もやりたい」と思っていました。

―なぜお茶だったのですか

本文残り70% (2167文字/3083文字)

スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市生まれ。2021年4月入社。高校野球の神奈川担当などを経て、同年10月からスポーツ部に配属。バトル班として新日本プロレスやRIZINなどを担当し、故アントニオ猪木さんへの単独インタビューや武藤敬司氏の引退試合、那須川天心―武尊などを取材した。 23年2月から五輪班に移り、夏季競技はバレーボールを中心に担当。同年秋のW杯や24年夏のVNLなど。冬季競技はフィギュアスケートをメインに務め、全日本選手権は2年連続で取材中。X(旧ツイッター)のアカウントは「@kotakatsube」。