【箱根駅伝2023あえぐ名門〈7〉】早稲田は戦えるのか 花田監督の分析

早稲田大学競走部、47回連続92度目となる箱根駅伝の舞台がいよいよやってくる。前回大会でシード落ち(総合13位)を味わった伝統校。6月に就任したOBの名ランナー花田勝彦(51)体制で、選手たちの奮闘を夏から追ってきた連載は第7回を迎えた。12月17日、埼玉・所沢キャンパスで報道陣が多数集う中で行われた練習公開と会見から、指揮官と選手の声を余すことなく伝える。本番まであと3日。(敬称略)

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【最後に12月29日発表の区間エントリー表あります】

22年箱根駅伝では優勝候補に上げられながら総合13位に沈みシードを逃した。リベンジなるか

22年箱根駅伝では優勝候補に上げられながら総合13位に沈みシードを逃した。リベンジなるか

目標を上方修正、往路3位以内、総合5位以内

えんじと黒、伝統の色を彩ったネクタイで1番手に壇上の中央に立った花田の言葉に、選手、報道陣が耳を傾けた。

いつもの丁寧かつ落ち着いた口調に込められたのは、冷静な現状分析、そして期待だった。

花田 6月に駅伝監督に就任して約半年。最初は手探りで選手たちの状況をみながら進めてきて、予選会と全日本と想定した中でこれましたので、箱根は上方修正して選手とやってきました。

11月末、全体ミーティングをした際に、往路では3位以内。3位でなく、3位以内。優勝の可能性は勝負をする限りはゼロではないですから。その上では総合成績では5位以内。チャンスがあれば1つでも上を目指そうと話はしていました。

新チーム発足時は全日本と箱根の2冠を現4年生たちは掲げたが、新体制下で現状を見つめ直し、一度は箱根は「7位以内」を据えた。

ただ、この半年の鍛錬と結果に、チームとしての気持ちは固まった。

「3位以内」

花田 チームの仕上がりは8割くらい。まずまず良い形かなと思います。良い意味で選手起用に悩むかなあという状況ではあります。ここからの準備はけが人をださない。感染症の予防、油断なく準備を整えて。走る10人だけでなくリザーブの16人、長距離としては30人、全員が万全の状態で本番を迎えられれば良いかなと思ってます。

練習=試合、「1=1」。「その方程式を達成できるようにしましょう」とやってきて、そこに近い形ではきている。チームとしての力を出し切って、実力で入れるか、他大学の状況次第の所はあります。正直実力で優勝できるかと言われれば厳しいです。3番は入れるか、5番は入れるかは状況次第ですが、100に近い物を出せれば間違いなくシード権は取れる。上も狙える。チームの力をしっかり出し切ることをテーマに、本番でもそれを達成できるようにやっていきたいと思います。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。