【札幌レター〈48〉/返信】鈴木武蔵はルヴァン杯に強い…初タイトルも夢ではない

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌に3年半ぶりに復帰したFW鈴木武蔵(29)と2年ぶり復帰のGK中野小次郎(23)の対談を紹介した。巌流島の戦いまたはポケットモンスターのロケット団コンビが初めて同時所属する今季、札幌に初のタイトル獲得の可能性は? 石川記者が占った。

サッカー

前回は「武蔵が点を取り、小次郎が守る 巌流島戦術!」と題して、札幌の武蔵と小次郎コンビが今季への思いを語った。「再び輝きを取り戻す」と意気込む鈴木の復活、ベテラン勢との守護神争いに挑む中野の台頭が札幌躍進の鍵となる。石川記者からの返信を読むと、クラブ初タイトル獲得への期待が高まる。

ルヴァン杯にチャンスあり/石川記者の返信

札幌鈴木(右)と中野は「巌流島の戦い」ポーズを決める

札幌鈴木(右)と中野は「巌流島の戦い」ポーズを決める

クラブ初タイトルへ

札幌担当の保坂記者から「武蔵と小次郎」というキャッチーな「タイトル」のレターをもらった。

タイトル―。過去5シーズンでベスト8以上が4度のルヴァン杯においては、クラブ初となるタイトル獲得のチャンスはあるのではないか。「武蔵」には完全復活が期待され、同大会では「小次郎」にも出番があるかもしれない。

今季の札幌は数多くの主力選手が抜けた。不動の存在だったFW小柏剛、MFルーカス・フェルナンデス、DF田中駿汰らが移籍したことで戦力ダウンは否めない。厳しい戦いが予想されるが、それでも約3年半ぶり復帰のFW鈴木武蔵は力強かった。

「前回在籍していた時、取れなかったルヴァン杯のタイトルだったり、何か1つタイトルを取りたい」

FCセリオーレとの練習試合で先制ゴールを決める鈴木(中央)(2024年1月20日撮影)

FCセリオーレとの練習試合で先制ゴールを決める鈴木(中央)(2024年1月20日撮影)

もちろん、重視すべきは3チームがJ2に自動降格するリーグ戦だが、ルヴァン杯は鈴木が勝負強さを発揮してきた舞台。そのストライカーが完全復活を果たせば、クラブ初タイトルも夢ではない。

データが示す根拠

決勝で川崎FにPK戦の末に敗れ、惜しくもタイトルを逃した2019年。鈴木は6試合の出場で7ゴールを挙げて大会得点王に輝いた。J1リーグ戦の通算38得点は歴代157位タイだが、ルヴァン杯の通算13得点は歴代30位タイに急浮上する。J1新潟時代の12年に大会初ゴールを決め、2012年以降に限った得点ランキングは5位タイだ。

今季のルヴァン杯はJ1、J2、J3の全60クラブが参加するトーナメント方式に変更されるが、今季の札幌には現役屈指の「ルヴァン杯男」がいる。「僕ら選手1人1人が結果を出して、僕は再び輝きを取り戻すために、またゼロからの気持ちで今季をスタートしたい」と誓った。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。