【札幌レター〈54〉/返信】データが示す小林祐希の貢献度と武器

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌2年目を迎えたMF小林祐希(31)になぜ今季も札幌でプレーしようと思ったのか、その理由と覚悟について語ってもらった。今季は開幕から2試合連続で先発している。石川記者は3月2日第2節サガン鳥栖戦での小林の献身性がわかるデータを示してくれた。

サッカー

鳥栖戦を検証/石川記者の返信

福岡対札幌 選手を応援する札幌サポーター(2024年2月24日撮影)

福岡対札幌 選手を応援する札幌サポーター(2024年2月24日撮影)

小林祐希が効いている

前回は「小林祐希 北海道コンサドーレ札幌でプレーする理由と決意」と題して、札幌2年目の小林に昨季限りでの移籍を考えなかったのか、単刀直入に聞いてきて、その答えを紹介した。石川記者からの返信では、鳥栖戦の小林のプレーを分析してくれた。

鳥栖戦でボールを追う小林

鳥栖戦でボールを追う小林

最多のスプリント

小林の献身的なプレーが目を引いた。31歳のレフティーはチームの勝利を目指し、全力疾走を繰り返した。0-4で敗れた3月2日のJ1第2節、アウェーのサガン鳥栖戦。その働きはJリーグが集計するトラッキングデータに表れた。

フル出場し、時速25キロ以上で1秒以上走ったスプリントは両チーム最多の20回。最前線から相手を追い込み、味方がボールを奪うと一気に相手守備網の背後を狙った。味方からのパスが戻ってこなくても、パス&ゴーを繰り返し、有効と思われるスペースに加速。攻撃にリズムを生み出そうとした。

札幌担当保坂記者の取材に「あまり自分を出さないように、ボールを蹴れなくても、とどまって待つしかないって思っている」と話していたが、誰よりもチームの勝利のため走り続けた。

「腹をくくって、年齢的にもできることを一生懸命やるしかない。与えられたことをしっかりやりたい」

プレースキックへの期待

今季は開幕から2試合連続で先発。昨年9月以来のフル出場となった鳥栖戦では小林の武器が生きる明確な役割があった。

左足のプレースキック。同じレフティーで札幌不動のキッカーだったDF福森晃斗が移籍したこともあって、今季は小林の高精度の左足キックにかかる期待が大きい。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。