【札幌レター〈50〉/返信】「個人昇格」の男、家泉怜依が高めていくチーム力

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌の沖縄キャンプリポートをお届けした。初日のミニゲームの布陣を紹介しながら、今季を予想してみた。石川記者は、新戦力の中でJ2いわきFCから加入したDF家泉怜依(24)に注目。キーワードは「個人昇格」だ。

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前回は「保坂果那記者の沖縄キャンプリポート 今季の構想は?」と題して、初日から今季初実戦となった沖縄県リーグ1部FCセリオーレとの練習試合(20日)までの取材で感じたことをつづった。石川記者からの返信では、新加入の家泉が飛躍する可能性について、昨季のデータとともに紹介している。

家泉が飛躍へ/石川記者の返信

宿舎が同部屋の札幌岡村(左)と家泉(2024年1月17日撮影)

宿舎が同部屋の札幌岡村(左)と家泉(2024年1月17日撮影)

トレンド「個人昇格」

札幌担当保坂記者のレターには、今季初めて行われたミニゲームの布陣が記されていた。いわゆる「紅白戦」。主力組と控え組に分かれて行われた。

厳しいシーズン―。昨季までの主力が数多く移籍した上に、FWキム・ゴンヒらが不在。確かに厳しい戦いが予想されるが、それでも、各ポジションで最低限の補強がなされたと言えるのではないか。

FW小柏剛(東京)が抜けた1トップには実績のあるFW鈴木武蔵がG大阪から復帰。MFルーカス・フェルナンデス(C大阪)が抜けたウイングバックはMF近藤友喜が横浜FCから加入し、不動の存在だったDF田中駿汰(C大阪)の穴はG大阪のDF高尾瑠が埋める。

さらに、この逆境を文字通り、はね返してくれそうな新戦力の名前を控え組で見つけた。J2いわきから加入したDF家泉怜依(24)だ。近年のトレンドにもなっているJ2からの「個人昇格」。昨季のJ2で際立ったプレーデータを残した。

際立つデータ

Jリーグの公式データ「J STATS」によると、昨季の家泉は39試合に出場し、リーグ2位となる203回のクリアを記録。185センチ、85キロ(現在は88キロに増量)の体格を生かし、相手の攻撃をことごとくはね返した。そのヘディングの強さは自陣だけでなく、敵陣でも威力を発揮。CKから2ゴールを挙げており、セットプレー時の得点源としても期待が高まる。

いわき時代の家泉(2022年3月20日撮影)

いわき時代の家泉(2022年3月20日撮影)

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。