【イチロー大相撲〈8〉】三賞はどう決めた? 初場所の三賞選考委員会を詳報

大相撲初場所の三賞はどのようにして決まったのか? 三賞は毎場所、千秋楽午後1時から行われる「三賞選考委員会」で決まる。審判部の親方衆を含む選考委では、どのような議論がなされたのか。現場から詳報する。

大相撲

左から殊勲賞の若元春、技能賞の琴ノ若、敢闘賞の大の里

左から殊勲賞の若元春、技能賞の琴ノ若、敢闘賞の大の里

候補者はどう決まる?

千秋楽の午後0時45分ごろ。東京で行われる本場所では、国技館2階の会議室で三賞選考委員会が開かれる。

司会は三役格行司の木村庄太郎。この日の出席者は合計27人、そのうち日本相撲協会からは以下の6人が出席した。

佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)=審判部部長

藤島親方(元大関武双山)=審判部副部長

粂川親方(元小結琴稲妻)=審判部副部長

春日野親方(元関脇栃乃和歌)=巡業部長

花籠親方(元関脇太寿山)=教習所長

出羽海親方(元幕内小城ノ花)=名古屋場所部長(今場所は審判に入っている)

このほか、溜会3人、記者クラブ員18人が加わった。

◆三賞とは? 本場所を盛り上げた関脇以下の幕内力士に授与される。殊勲賞、敢闘賞、技能賞の3つがあり、複数受賞も可能。勝ち越した力士の中から、三賞選考委員会が決める。三賞の賞金は、各200万円。

2017年夏場所の三賞選考委員会の様子

2017年夏場所の三賞選考委員会の様子

三賞選考委員は内規によれば45人以内とされ、半数以上の出席により成立する。この日は27人が、選考することになった。

通例通り、まずは審判部が、三賞候補者を挙げていく。審判部は事前に協議しており、親方個人ではなく審判部としての見解を述べる。

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。