【イチロー大相撲〈9〉】白鵬+鶴竜=優勝合計51回 印象深い副賞は何ですか?

幕内優勝を果たすと、優勝賞金1000万円に加えて、多くの「副賞」がもらえる。

例えば初場所の場合、宮崎県知事賞として宮崎牛1頭分及び野菜・果実1トン、アラブ首長国連邦友好杯としてガソリン1年分、などなど。

優勝力士はこれら豪華副賞をどうしているのか? 気に入った副賞は何か? 史上最多45回の優勝を誇る元横綱白鵬の宮城野親方(38)と、優勝6回の元横綱鶴竜の音羽山親方(38)に聞いた。

大相撲

新年最初の初場所初日、1月14日―。国技館内、東の花道奥にある記者クラブに入るといきなり、「おおっ」っと声を出してしまった。

目の前に宮城野親方と音羽山親方がパイプイスに並んで座っている。元横綱の2人。現役時代に支度部屋で見せていたピリピリ感は抑制され、雰囲気は柔らかく華やか。綱を張った自信と、若手親方としてのエネルギーに満ちあふれ、独特のオーラを放っていた。

即、新年の挨拶。

「あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」

初場所から、この2人の親方が記者クラブ担当となった。「あけまして―」の挨拶は一般的に「松の内」が終わる1月7日までとされるが、角界は事情が異なる。初場所の序盤は特に、新年になって初めて会う人同士が、あちこちで新年の挨拶をかわす。

親方2人とも、この挨拶をやりとりし、2人がそろった写真を撮らせてもらった(上記)。

白鵬と鶴竜、と現役時代のしこ名で書いた方が分かりやすいかもしれない。2人合わせて優勝51回。せっかく2人が記者クラブに常駐しているのならばと後日、質問を準備して取材をお願いした。

優勝し、大きなマカロンを前にする照ノ富士(左)(2024年1月28日撮影)

優勝し、大きなマカロンを前にする照ノ富士(左)(2024年1月28日撮影)

幕内優勝を果たすと、賞金1000万円がもらえる。カネや物でなく、優勝という栄誉が何にも代えがたいことは言うまでもないが、いくつもの副賞も気になる。

千秋楽の取組表には、「表彰式次第」が長々と載っている。

近年話題となりやすいのは、日仏友好杯の副賞「ピエール・エルメによる特製マカロンの詰め合わせ」。表彰式では、レプリカとして巨大マカロンが贈呈される。

今年初場所の副賞一覧は次の通り。

初場所は千秋楽の最後に、優勝した照ノ富士がすべて受け取った。数が多いので表彰式だけでも30分以上かかる。

副賞は、場所ごとに異なるが、毎回豪華だ。

マカロンは本当に贈られているのか? 力士は食べているのか? ビール、肉、野菜などなどかなりの量の副賞はどう消費されるのか?

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。