【札幌レター〈53〉】小林祐希 北海道コンサドーレ札幌でプレーする理由と決意

MF小林祐希(31)の北海道コンサドーレ札幌2シーズン目がスタートした。なぜ今年も札幌でプレーしようと思ったのか。昨季限りでの移籍は考えなかったのか。単刀直入に聞いてみると、意外な答えが返ってきた。今年のコバ兄はひと味違うと感じる練習中の場面も、いくつか紹介する。

サッカー

開幕戦でプレーする小林(左)

開幕戦でプレーする小林(左)

「安心してください」

1月14日のキックオフイベントで、小林とともにステージに登場したMF荒野拓馬(30)がニコニコしながら客席に向かって、こう言った。

「みなさん、安心してください。今年も小林選手、残ってますよ。うれしいでしょ!? いなくなると思ったでしょ!? 俺が一番うれしいです」

笑いと拍手が起こった。荒野はまさにサポーターの気持ちを代弁していたからだ。昨季札幌に加入した小林はリーグ戦21試合3得点、プレー時間は787分。左太もも裏肉離れなどのケガで離脱もあったが、起用方法も途中出場が14試合と多かった。最後の2試合はベンチ入りするも、出場なし。プロが出場機会を求めて移籍するのは当たり前だ。小林もその道を選ぶのではと、多くの人が考えたのではないか。

小林のインスタグラムから

小林のインスタグラムから

サポーターのそんな心配を知ってか知らずか、1月4日に自身のインスタグラムで新年のあいさつとともに「今年もコンサドーレのために全力で闘います」と残留宣言。札幌は契約更新の発表をチーム始動前に一気にまとめてするため、先駆けてサポーターを安心させた。

残った理由

小林に聞いてみた。なぜ今年も札幌でプレーしようと思ったのか。ズバリ聞いて気を悪くさせたらどうしようと不安だったが、真っすぐな目で冷静に理由を答えてくれた。

「そこまで札幌が無理だから移籍したいとは思っていなかった。プロの世界だし試合に出てナンボなので、いつもミシャが言うけど、選手が去るか、監督が去るかの2択しかない。

本文残り80% (2694文字/3367文字)

スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。