【王鵬の思考】「頑張りたいから頑張っているだけ」そこに理由は必要ない
王鵬の考え方は、少し独特です。物の見方を自分なりに考えているからこそ、予定調和な受け答えはあまり好みません。
1月19日は、祖父の横綱大鵬の命日です。毎年、初場所中に、この日はやってきます。王鵬は、命日だから勝ちたいとは決して言いません。どういうことでしょうか。
王鵬の思考に触れてみてください。
大相撲
「正しい努力」とは
ちょうど1年前にも、王鵬にロングインタビューをお願いした。色紙に言葉を添えて欲しいと伝えると、「正しい努力」と書いた。
前回はその意味について、説明してくれた。自分で考え、正しい道を進む。正しいと思えないと、効果は出にくい―。強くなるための、適切な心構えに思えた。あれから約1年がたった。
―この考えは、今も変わりませんか
「そうですね」
―1年を振り返って、意識しながら過ごしてきましたか
「しっかり頭で考えてやってこれたとは思ってます」
―具体的に言うと、どういったところが
「僕は頑張ることが当たり前だと思ってるんで…。どんなことが努力でしたかって言われると、すごい難しいんですけど、しっかり頭で考えながら、稽古とかもしっかりできてたんじゃないかなと思ってます」
―実際に成果は出てますね
「ムラというか、波はある方なんで、常にピークってのはちょっと難しかったんですけど、後退せず、しっかり実力つけてこれたんじゃないかなとは思います」
2025年は初場所で12勝3敗とし、敗れたものの優勝決定戦に進んだ。初の三賞となる技能賞を受賞した。春場所は初の三役となる関脇に昇進。夏場所、名古屋場所は連続で金星を挙げた。秋場所は2桁勝利を挙げ、九州場所で関脇に復帰した。
王鵬の2025年成績
| 場所 | 番付 | 成績 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 初場所 | 西前頭3枚目 | 12勝3敗 | 優勝同点、技能賞 |
| 春場所 | 西関脇 | 6勝9敗 | |
| 夏場所 | 西前頭筆頭 | 7勝8敗 | 金星 |
| 名古屋場所 | 東前頭2枚目 | 7勝8敗 | 金星 |
| 秋場所 | 西前頭2枚目 | 10勝5敗 | |
| 九州場所 | 西関脇 | 7勝8敗 | |
| 初場所 | 東小結 | ? |
2横綱1大関が誕生した年だったため、やや目立ちにくいが、着実な成長は番付にも表れた。
その下支えの1つが、自分をしっかり持っていることなのかもしれない。
例えば、節目の日の気持ちの持ち方。大鵬の命日1月19日は、毎年初場所中に訪れる。常に勝利を目指している王鵬にとっては、毎日が特別。命日だからといって、とりわけ頑張るわけではない。もちろん、尊敬する祖父であることに変わりはない。
「命日だからとか、誕生日だからどうしても勝ちたかったですとか言うと、書く人も書きやすいし、見る人も見やすいですけど、僕は多分、それを言いません」
―どういう考えですか
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1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。
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