高安はなぜ大の里に助言を送ったのか? 恩返しと大局観「相撲界が良くなればいい」

春巡業中、高安(36=田子ノ浦)の優しさがあふれる場面がありました。

3月31日、神戸市で行われた巡業での稽古中、高安は左肩を痛めている横綱大の里に助言を送っていました。優勝を争うライバルでありながら、早期回復を願っていました。

そこには、大相撲ならではの温かい関係性がありました。高安に聞きました。

大相撲

謙遜する高安

3月末、神戸市の「GLION ARENA KOBE」で行われた巡業でのことだった。朝稽古中の土俵下で、高安が大の里の左腕を抱え、動作の確認をしていた。慎重に力を加えながら、2人しか聞こえない距離でアドバイスを送っていた。

この様子は来場者が撮影し、Xで拡散された。温かい光景に「流石はベテラン高安関」「高安関…尊い。もっと好きになりました」「これがあるから、巡業は大切なんですね」「ああ高安関好きです。弟の怪我を気にかける兄のようで尊いです…!二所ノ関親方との関係も含めて考えると感慨深いものがあります」などのコメントが寄せられていた。

後日、高安にこの時のことを聞いた。大の里の立ち姿を見ただけで、左肩の状態が良くないことが分かったという。

本文残り93% (4567文字/4931文字)

スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。